わが国では、人口減少によって人手が減るに伴い活況を呈している仕事に代行ビジネスがあります。2000年代初頭の金融危機の時から代行という言葉が広がったように思います。何と言っても家事代行はこの世界での出世頭といえるのでは。
それまで家庭に主婦として収まっていた女性が外で働くようになって、家事代行のニーズは急速に増えました。特に大都市圏において、家事代行が今では欠かせないビジネスとなっています。日常的に家事を行う会社と大掃除専門の清掃会社と広がりを見せています。
元々日本社会には、便利屋と呼ばれる代行ビジネスが古くからありました。また各都市にあるシルバー人材センターも便利屋の役割を果たしています。日本国中に高齢者世帯が増えていることもあって、代行ビジネスへの依頼の一端を担っていることが大きいです。
景気のよかった行動成長期には、酔っ払い運転させない役割を果たしたのが運転代行でした。今は高齢化が進んでいることもあり墓参り代行や墓掃除代行が普及しています。そして現在も社会変化に合わせるカタチで代行ビジネスも新たなニーズを掘り起こしています。
今最も注目されるのが退職代行。コロナ感染が広がったことで一気に表面化したのが人手不足と企業倒産。将来性のない企業ほど人手が不足し、忙しいのに儲からない会社が増えています。そんな会社から抜け出すのを手助けしているのが退職代行会社です。
本人に代わって退職の意思を会社に伝え、辞めるための手続きを代行するビジネス。会社によっては、辞めたいけれど辞められない社員が多数いる会社が増えています。数万円でこの縁切り作業を代行する会社が登場して今は相当忙しいようです。
またふるさと納税代行も今風な代行ビジネス。この場合、お客さんは相当な富裕層を相手にしているようですが、ビジネスとしては成立しているようです。ただふるさと納税自体が何かと批判の多い制度ですから、いつまでも安心して続けられるか不安もあると思います。
今後も時代の変化に伴い代行ビジネスは増えていくと思われます。日本は人口減少が今後ますます進むと予想されます。アイデアが人の役に立って面白ければ、ヒットすることは可能です。ただビジネスの持続性となると不安は残りますが。
おかしい代行といいますと、マッチングアプリのメッセセージ代行があるそうです。依頼主が複数の異性とメールでやり取りをしていて、その中の一人を肩代わりして相手をするようです。あまり気持ちのよい代行とは言えそうにないです。ネットでの試験の代行なんてことになりますと、下手をすると犯罪に手を貸すことにもなります。ビジネス選びには慎重さが求められます。
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