日銀がゼロ金利政策に終止符をうち、いよいよ金利が上昇する経済が日本でも始まります。日本経済は長いことゼロ金利が続いてきましたから、金利上昇といっても銀行預金の金利がちょっぴり上がる程度のことと考える人も少なくありません。
ただ不動産業界など数千万円数億円の世界ですから、0.01%から0.1%や0.5%に引き上がったら金額は大きく膨らみます。これまで低金利の恩恵を最大限受けてきた不動産業界にとって、金利上昇はゲームチェンジを意味します。
金利が低いことで手持ちの土地や物件を気長に保有してきましたが、金利が上がることによって処分を迫られるケースも増えそうです。似たような構図には証券業界にもいえます。上がるまで待とうなんて悠長なことは言ってられなくなります。
他には、電気の発送電事業や交通設備、上下水道などインフラ事業にも影響は及びます。気になるところではIТ事業もこれまでのような、いくらでも投資してくれるスポンサーは難しいです。ゲームチェンジでは自分のビジネスも検証してないと協力者がいなくなることも。
逆に金利上昇が追い風になる業界としては、銀行・信金といった金融業界があります。これまでは低金利で泣かされてきましたが、金利が上がることによって収益が増えることは確かです。保険、損保も同じ条件なので力強い追い風が吹いてくれそうです。
ビジネスの世界で実際に追い風になったり向かい風になるまでには時間がかかります。その前に金利の動きに直ぐ反応しそうなのは、コロナ禍前から多額の負債を抱えていて、金融機関の慈悲で事業を続けている会社は直ぐにも破綻する可能性があります。
またゼロゼロ金利の返済が始まっている会社なども直ぐに危機は迫って来そうです。これまで20年近くあるようであまり気にならなかった日本経済の金利ですが、いよいよ本格的に動き出しました。今後はますます上がりますから早めの対応で巻き込まれないことです。
これまで何度も何度も、日本経済が変わる変わると云われながら変われないできました。もう耳タコかも知れませんが、今回ばかりは本当のようです。実際、頭を使わずにアベノミクスを信じ続けているなら地獄に落ちる可能性が高いです。しかも自民党安倍派の連中を除くと、低金利政策の変更に反対をいう人などほとんど誰もいません。
マーケティング・経営ランキング