このところ自民党の裏金問題が公になってから、政府による怪しげな公的資金の使い道に疑問の声が上がるようになりました。朝日新聞が取り上げたのは「租税特別措置」による減税のあり方です。約2兆3千億円もの不明な減税が行われていると言われます。
政府は企業の設備投資を促すため、特定の政策を達成させる目的で特別な税の軽減や免除を行っています。研究開発を支援したり昨今では賃上げを促すためにも減税をします。よく知られているのは、住宅取得のときに活用されるローン減税はその代表例です。
このような税制特別措置は24年3月末現在で369項目もあり、なかには何十年にも渡って延長が繰り返されている例もあるようです。このような減税措置は世界の多くの国で行われていて、それ自体に問題があるわけではありません。
ただ日本の場合は大きな問題があります。ドイツとスイスの政策シンクタンクの調査によりますと、各国政府による企業支援の透明度指数にばらつきがあります。104カ国を対象に調査をしたなか、日本の透明度は94位と後進国並みの順位です。
ちなみに1位は韓国で、ドイツ4位、フランス5位、アメリカ6位です。世界レベルでみても、日本政府と企業との間の癒着状態は半端ではありません。最大の問題とされるのは、減税措置を受けている企業の名前が公表されていないことです。
企業名が公表されていないということは、この政策を実施してもその効果が検証されません。このような仕組みでは、優遇減税をしてもらった会社が自民党に対し献金をする、新たなキックバックも可能であることです。パーティー券に化けていることもありそうです。
現在の自公政権では、首相自身が「法律に触れていません」と言い訳します。法律に触れる触れないは悪の組織が言うこと。長く政権についていると与党は何でもできると勘違いをして、法律がとんでもない不正の温床になっています。
日本政府が企業への支援で透明度が低い原因は、長年ほとんど政権交代がなかったからです。韓国の場合政権交代が起きますから、企業と政権との癒着は起きることはありません。医師会と政権との癒着もないので医師の定数を増やすこともできます。社会を変えることが可能なのです。その点、日本は政権と大企業や官僚、医師会ともべったりのため、何も変えられずにズルズルとデフレを引きずることになりました。
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