最初から独立開業を目指して、自前の会社を設立し、当初描いていたシナリオ通りに会社を経営するといった理想の起業は、実際には珍しくてなかなかめぐり合えない。
邸宅風結婚式場を運営するディアーズ・ブレインの小岸弘和社長の場合も、自分が実際に起業したのは大阪の結婚式場のコンサルタント会社。それ以前は、結婚情報誌のゼクシィ関西版の建て直しに、リクルートの社員として派遣されたのだから話がややっこしい(笑)
元々の本籍はリクルートで、そこから関西の企業の採用や人材教育に10年以上に渡って携わり、その中でゼクシィにも係わっていた。その時期に、結婚式ビジネスの面白さに引かれてコンサルタントとして独立開業したが、クライアントの一社でボロボロの財務内容だった水戸市のディアーズ・ブレインを再建したのがキッカケで、請われて04年6月に社長に就任した。
現在は本社を東京・千代田区に移し、既成概念にとらわれない店舗運営と金融戦略で、経営者として広く注目を集めている。
ディアーズ・ブレインの結婚式場は、向こう一年は予約で埋まっていると言われるほど人気が高い。人生、どのように転がるか分からないが、能力の高さだけは、どんな世界へ行っても期待を裏切らないようだ。