日本が経済大国といわれるようになったのは、1945年の敗戦を契機に国をゼロから作り直した60年代から。終戦のときの若い世代が、敗戦に打ち砕かれた年長者に代わり貧しかった日本国民のために国造りにまい進したおかげです。
ただ敗戦から80年も経った現代では、国民ためとか貧しい人のためよりも、自分ため家族のためを優先する人が生きやすい世の中になってきています。政治も経済の世界も内向き志向が横行し、日本社会の目標はどんどん貧しくなっています。
中国、韓国、台湾など、日本経済のずっと後を追っていた国ですが、いつしか日本よりも規模も個人の生活も豊かになっています。1990年代のアジア通貨危機で地獄の蓋が開くのをみた人たちは、やはり危機に対する腹の据わりが違っているようです。
日本国民の場合、戦後一本調子で成長を続ける日本経済を見てきたため、変化することにとても臆病になっています。特に政治の世界は、親が政治家というだけで何の能力も持たない人が、次々に大臣や有力役職にとりたてられ現在では女性や世襲以外に首相候補のいない事態です。
日本でだけ政治をみていると何の問題もないように映りますが、他の先進国からみると封建社会に逆戻りしている姿に見えるようです。インドのカースト制度を非難できないほど、日本の世襲政治は階層制度そのものの政治が行われています。
現在の岸田首相を取り巻く権力争いをみると分かるように、物価上昇や首都圏の地価高騰などまったくどこ吹く風。60代、70代に80代まで混じって、首相とその裏にいるキングメーカー選びに血眼になっているのが今の日本政治の現実です。
今後行き着く先は、政府の歳入不足による予算の組めない事態か、日銀の債務超過か。今は首相のなり手が多いのに、そのうちなり手のいない事態も予想されます。我々は足元の地盤が軟弱なことに注意しながら、まずは目先の不況に耐えるしかないです。
日本の政治家が世界各国に誇れるのは歳費の高さです。これはダントツに高く、しかも国会の開催日数は首相が開催嫌いときていますから本当に恵まれた人たちです。議員が子供や孫に引き継ぎたいと思うのも、今の優遇を考えると当然です。議員の資産相続は無税ですから、引き継がない手はないと考えがち。その上に今回の裏金騒動です。恵まれた環境にいると、もっともっととレベルを上げたがるもの世襲の人間特有のずうずうしさ。
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