金融緩和政策が始まって以降、景気のよい業種とマスコミに載るとどっと参入企業が増える最近の日本経済。ゼロ金利によって資金はまだ溢れていますから、古くからその市場で事業をしてきた人にはいい迷惑です。そんな中の一つにトランクルームがあります。
地価の高い都市圏に限られた事業ですが、注目されるようになったのはコロナ禍が大流行してから。在宅勤務のときに住まいの使い方を見直し、直ぐ使わない生活用品や遊び道具をトランクルームに預けたことで、大きな盛り上がりが続いています。
今はトランクルームも値上げが続いていますが、ほとんど解約する利用者はいないようです。以前はトランクルームというと物置代わりに使用する人がほとんどでした。ところが現在は、クローゼット(収納庫)に目的が変化しています。
勤めている会社近くにトランクルームを借り、通勤用に毎日使用している自転車を置いて出勤なんてライフスタイルが増えています。当然仕事用着替えも置いてあって、トランクルームが通勤と仕事との切り替えスィッチの役割を果たしています。
サイクリング自転車ばかりでなく、オートバイや原付自転車ということもあります。最近これら2輪車は盗難されることが多く、トランクルームに預けることによって安全性は各段に高まります。そのため都内では新しいトランクルームの貸し出しは直ぐに埋まっています。
そんなことで、15年連続でトランクルーム市場は拡大が続いています。最近10年で市場は2倍になっているとも云われます。全国には約1万3600カ所、58万室は過去最高で約4割は東京都内に集中しています。新しいライフスタイルとして東京以外にも広がりそうです。
今後人口減少は間違いなく進む日本ですから、減少に合わせたライフスタイルが求められます。コインランドリーの普及もこれからの都会生活には欠かせないと思われましたが、開発メーカーが多すぎたきらいがありました。トランクルームは土地所有という数少ない人の協力が欠かせません。そのため乱立する事態は起きそうにないです。
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