今月、日銀は生活意識調査の結果を発表しています。このなかで最大の注目は「1年後の物価が上がる」と思うかどうか。87.5%の人が上がると答えています。インフレの条件は、国民の心理が将来の物価高を予想して将来を見越した消費行動に走ることにあります。
87.5%という割合は、ほぼ大半の国民が価格の上昇を受け入れるということです。しかも55,7%の人は「1年前と比べて生活にゆとりがなくなった」と答えています。その結果、半数以上の国民は買い物に対して買い控えを余儀なくされる生活をすることになります。
日本経済の今後を考えますと、国民の買い控えが顕著になり不況色が濃くなることをこの日銀調査は言い表しています。本来日銀の役割は、国民生活のために物価を安定させることです。そのためには、この先の値上がりを見込んだ業者の買占めを止めさせることです。
他の国では政策金利の引き上げにより、買占めの資金を渡さない政策を実施しています。金利が上がりますと、年金生活をしている高齢者にも資金が渡ることになります。ただ日本の場合、桁外れの国の借金はこの当たり前の金融政策に踏み切れません。
そのため日本の物価上昇は今後長引く恐れがあります。同じように不況が続く中国からは、作り過ぎで溢れた格安商品が大量に輸入され、日本経済の足を引っ張ることも心配されます。今の中国は、軍事力ばかりでなく経済の過剰在庫も世界に不安を与えています。
そのうえ日本には、11月の米大統領選でトランプ大統領が実現する心配も加わります。既に、外国製品への一律関税の実施、重要分野の国内での製造、同盟国に対して防衛費の増強など選挙公約にしています。中国や日本を名指しで非難しています。
この先の日本経済を考えると、頭がクラクラしてきます。決して、このところの高温続きの天気ばかりが原因ではないようです。しかもこの大変な難局が迫っているのに、自民党政権では政策よりも権力欲だけの椅子取りゲームの最中です。世襲議員は国民とは違う世界に住んでいるようです。
わが国の物価上昇が本格化し2.0%以上の上昇が22年から続いています。これまでのように少しまとまった資金を、銀行やタンスに置いたままにしていると価値はどんどん目減りします。インフレになったときは、株式投資や投資信託に預けて目減りリスクを避ける必要があります。デフレのときのように、何もしないでじっとしてることは損をしてることになります。ただ詐欺的投資への勧誘も今は増えていますから、こちらの注意も必要です。
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