わが国では、「災難とプライマリーバランス(PB)は忘れたころにやってくる」って格言はホントのようです。内閣府は先月末、PBが25年度には黒字になると試算をいきなり発表しました。多分多くの人は、ほんと?と思ったに違いないです。オオカミ少年ではないけど、これまで何度も黒字になると云いながら結局はダメだったからです。
PBは単年の国と地方との財政収支が黒字になることです。日本ではバブル経済が崩壊して財政がズタズタになった2002年度からPB目標を設定し、まず単年度だけでも黒字化しようと掛け声を上げました。ただ自公政権の掛け声だけで、一度も黒字になったことはありません。
近年ではほとんど黒字にしようなんて気持ちさえなくしています。そもそも財政が黒字だったのは、今から33年も前の1991年のこと。バブルのほぼ最後の頃で、それ以降は借金に次ぐ借金の連続で、ほぼ多重債務者状態が長く続いています。今では借金を返済する気持ちさえ政府はなくなっているようです。
最近の首相は、自分が政権を担っているときさえ財政がもてば、その後はどうなろうと知っちゃことない精神の持ち主ばかり。日銀も赤字国債の発行を減額したい気持ちはあるけれど、なんせ借金額が桁外れのため借金への依存心の強い首相ばかりで今後も茨の道は続きそうです。
今回PBが少しでも修正される原因がインフレにあることは注目です。以前から云われていたことですが、この日本が抱える財政赤字を減らすには、インフレによる物価上昇が避けられないと云われてきました。実際、物価が動き出した22年以降は国の税収がどんどん増えています。
国民としてこの物価高に対抗するためには、銀行預金よりも株式や信託への投資をしてリスクはあるけど資金を生かすこと。ただ今すぐの投資が良いわけではなく、今後株価が下がった時期を見分けることが必要です。何もしていないと、じりじりと貧困化が進むことは確かです。
借金は麻薬と同じで最初は罪の意識もあるようですが、次第に慢性化してくると罪と云うよりも薬のように思えてくると云います。現在の日本の国債費も、与党の中には後世のために少しでも減らそうなんて考える人は一人もいません。今後自民党総裁選挙に手を上げる人のなかに、この借金をどうするのか自分の考えを発言できる人がいるなら顔をみてみたい。アベノミクスは今も正しいなんて総裁になりたいばかりに無知をさらけ出している女性議員までいる世界です。
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