先週後半、東京証券市場は史上過去2番目の株価暴落を記録しました。8月1日が975円安、2日が2216円安ですから、多くの投資家の皆さんは相当痛手を被ったと思われます。新NISAがスタートしたことで4万円台の大台から3万5千円台まで急降下です。
これまでも新NISAのような国家が音頭をとった投資政策が発動されると、一時は急上昇しますがその後大きな下げに襲われます。団体行動で投資をしてますから、上げも急なら下げのときも大幅な下げを演じることになりがちです。
問題はこの下げが、リーマンショックやブラックマンデーのような世界規模の暴落につながるかどうかです。史上最高の暴落だった87年10月20日のブラックマンデーでは3836円も下げました。この時日本はバブル真っただ中で、直ぐに立ち直りました。
今回の場合、東証の8月2日の下げ幅はー5.8%です。米国のNYダウはー1.51%、ナスダックはー2.43%。世界の市場に目を向けても、スイスのSMIがー3.58%、トルコのBIST100がー3.00%が目立つくらいで他はー2,0%台もちらほら。
今回もほぼ日本の一人負けです。世界の主要な国のほとんどがインフレ対策で政策金利を引き上げているなか、日本だけはゼロ金利やマイナス金利を続けていましたから、完全に金融政策の方向性が他国とは違っているのは確か。
2012年に第二次安倍内閣がスタートして以降、大企業を優遇することで日本全体の景気浮揚を図ろうとするツインクルダウン政策は完全な失敗でした。企業は利益を内部留保するばかりで、社会のためよりも株主優先を第一に考えています。
わが国では政府が何兆円も政策につぎ込んでも、ほとんどその結果を検証することをしません。政策はうやむやのままで終わり、結果的には多額の赤字国債の発行残だけが山積みです。これからが財政負担となって国民の肩にのしかかります。
新NISAで大きな含み損を抱えた人は多いと思います。ただ株価は、下がるところまで下がると、その後は上げに転じます。慌てて売ったり投資を諦めたりしないで、このままにして少額の株式投資は続けることが利益を上げるコツです。
株式投資で大きな利益を上げている人は、投資したまま亡くなった人と投資したことを忘れている人と言われます。一日に何度も手持ちの株価のチェックをしているような人は、株で儲けることは難しいです。以前はわたしの周りにも何人かデイートレーダーと言われる人がいましたが、今はすっかり顔を見ることがなくなりました。連日気を張り詰めて株価と睨めっこしている生活は、相当ストレスが溜まって長くは続かないようです。
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