帝国データバンク調べによりますと、昨年23年に生まれた法人数は15万2860社と、21年の14.4万社を抜いて過去最高を記録しました。昨年はインボイス導入により、これまで個人事業主だった人が法人化したケースも多く、特別視するほどではないかも知れません。
ただ起業するための資金貸付事情は、今も金融公庫など起業向け貸し手はしっかりした事業計画ができている協力的といいます。特に目立つのが中高年の起業です。起業する人の平均年齢は48.4歳、20年前と比較すると約3歳近く年齢は高くなっています。
そのため全起業者のうち40代が占める割合は31.9%、50代は25.3%、60代は12.2%と中高年が70%を占めるまで増えています。元々日本の起業は他国と違い、若者よりも中高年の占める割合の多いのが特徴でした。この傾向は近年ますます強くなっています。
特に全国的に人手不足が進んだ2000年以降若い人は就職を考え、中高年が希望退職を選択して退職金で起業を目指す傾向がはっきりしています。多分そのためでしょうが、起業するビジネスは大きな会社に成長する可能性の低い事業ばかりと云われます。
若い人が集まって起業するスタートアップ企業を除くと日本の起業は、人口の高齢化と同じように高齢化が進んでいます。高齢者の起業の場合、ビジネス経験が長いですから大きな失敗は少なく、ある程度の需要を見込んでの起業なので安定した経営をするが特徴です。
ただ若い人のような大化けするビジネスを考える可能性は低いです。また雇用を大きく増やす野心的事業も期待薄。それでもしっかり準備をして、人生の大きな賭けを考える人、また自分の住む社会に貢献するためのビジネスを立ち上げる価値はあります。
会社勤めをしているときは、自分の信条とは少しは違うことでも仕事と思うとやらざるを得ません。自分の扱う製品が一番と思っていないと、お客さんに勧めることはできません。ただ自分が起業するとなると、自分でストーリーを考えることができますから、信条を曲げる必要はなくなります。歳をとって若いころからの夢を実現できるのが起業です。
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