8月に入って証券市場では、日本経済を揺るがす大暴落が発生しました。しかも政府が国民に勧めている新NISAが関連する事態ですから、政府は率先して事態の説明をすべき時です。あれだけタンス貯金から株式投資を勧めておきながら、史上最大の暴落なのに無視したままです。
8月6日には定例の閣議さえ開催しませんでした。しかも翌日には、岸田首相は憲法改正を言い出す始末です。憲法9条に自衛隊を明記することを優先させよ証券市場うとしています。先月には218人を処分する不祥事が発生し、隊内で逮捕者を出しても大臣にも説明をしない防衛省のための改正です。
最近の世論調査でも、憲法改正に関心のある国民は数%のまったく下位の関心事の課題です。岸田首相としては、9月の自民党総裁選挙へ向けて自分に対する関心を集めるため、最後の手段を行使した気分でしょう。彼にとって、証券市場の混乱も国民を苦しめる物価上昇も関心の外です。
多分今考えているのは、自分が首相の座に居座るにはどうするとよいかだけのようです。民主党が政権から滑りおりて以降、自民党は対中国敵視政策や憲法改正などで国民の眼を現実問題から遠ざける高等戦術を駆使して選挙で勝ち続けてきました。今回も苦し紛れの憲法改正のようです。
ただ国民の支持率が20%台の首相が、国家の背骨でもある憲法に関する改正を言い出しても誰が支持するのか。せめて最低条件として総選挙を行ったうえで国民の支持を確認してから憲法改正論議をすべきと思います。首相の座の延命のために行う憲法論議は時間のムダです。
これまでは、自民党から政権政党を代えようにも、代わりのいないのが日本の政権でした。ところがたいへんな人間が首相になったことで、のんびりしていられないのが今の政界です。プーチンやネタニヤフをみて分かるように、追い詰められた人間は何をするか分かりません。
【ひとり言】
日本の政治史において、これほど露骨に首相の地位に執着した人はいたのだろうか。何かしら大きな政治課題を解決して、その後に執着したなら佐藤栄作元首相がいたけれど、岸田首相はこの3年たいへんな問題を閣議決定で決める暴挙はあるけれど、それは汚点の一種。世襲政治家の怖さだけは突出していたように思います。それにしてもひどい。
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