今回の株の乱高下では、新NISAで初めて株式投資を始めた人が慌てて狼狽売りに走ったが定説。けっこう長く株をしている人のなかにも、史上最大の暴落の言葉に踊らされ売り急いだと云われています。これほど大掛かりな暴落は、08年9月のリーマンショック以来の下げです。
つまり09年以降に株式投資を始めた人は、ほぼ大幅な下げ相場を経験したことがありません。この15年間上げ相場しか経験がないわけで、相当びっくりしたはずです。ただ今回は、大幅に下げてもその後の大きく上げてもいますから、過去の下げ様相とは相当違っています。
バブル経済が崩壊した1990年以降、日経平均株価は延々と2002年頃まで下げ続けています。この時期の証券市場はそれは地獄でした。証券会社は人員整理がいつまでも続いていました。金融機関がこの時の不良債権処理に100兆円以上使ったともいわれています。
国の責任は学者に任せるとして、このようなバブルに安易にのってしまう個人の問題は頭に入れておく必要があります。最近の投資詐欺に騙される人にも言えることです。SNSや人の噂話で「儲かる」といったキーワードに反応しやすい人は要注意です。
スマホやパソコンが身近になった2000年代以降大半の人は、熟考する習慣をなくしています。「儲かる」と聞いて反射的に反応する人が急速に増えました。多くは人を騙すために「儲かる」を使っていますし、例え本当であってもSNSに公表した途端多くの目に晒されて儲からなくなります。
もう一度しっかり考える習慣を取り戻さないと、常に騙しや勘違いの危機に直面することになります。そのため株式投資をするなら、直ぐ株を買うことは止めてどこかの会社の買ったつもりでウォッチすることです。競馬なら馬券を買う前に予行演習をすることです。
ちょっと熟考をすることによって、あなたの人生は大きく変わります。今は多くの人間が、SNSに踊らされて延々とムダな時間を使っています。合理的な判断によって今の人生は変えられます。
今日本社会の風潮は、ネットで関心を集めると遅れまいとして多くの人が集まります。新NISAでは、無税でカネが儲かるということで、よく内容を吟味しないで資金を投資した人がいました。都知事選においても、なんかやりそうだという雰囲気だけで石丸候補に票が集まりました。実際は、ほとんど都知事が務まるような人格などない人でした。日本全体が薄ぺらくなって、よく判らない発言や行動が目立ちます。とても危険な気がしてます。
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