今回のパリオリンピックで一番興味深かったのは、女子やり投げで金メダルを獲った北口榛花さん。日本人女子が、パワフルさと体力が求められる投てき種目で1位になるなど彼女の登場前までは想像ができませんでした。実際、彼女が国内で練習を続けていたならメダルはムリと思われます。
彼女の競技歴をみると、19年に単身でチェコに渡っていることです。この国のやり投げコーチ・セケラック氏の指導法に興味をもち、誰かに紹介されたわけでもなく押しかけたようです。これは後日大きな成功を収める人に共通した行動ですが、ほとんど知らない人でも教えを乞うことです。
このセケラック氏との出会いが、その後の彼女の競技人生を大きく変えました。特段紹介されたわけでもなく、自分からコーチを依頼したと云いますから大変な勇気です。多分勝ちたい気持ちが強く、その気持ちが相手にも通じたと思われます。また熱意だけでなく、チェコ語を学び体力と精神力で準備も怠りなかったようです。
これまでビジネスで成功した人のヒストリーを数多く読んできましたが、間違いなく成功の陰には人との出会いがあります。一人でコツコツ努力をして成功した人はほとんど記憶にありません。成功に導いてくれるのは、ほとんど知らなかった人との出会いがきっかけで成功への階段を登った人ばかり。
面白いもので、ほとんど知らない人でも助けを求めにきた時、世の中には助けてくれる人もたくさんいます。重要なのは、助けを求めている課題に対し相談を受ける相手の関心があるかないか。人は自分の知っていることを聞かれると、答えたくなる生き物であること。
また同じ問題に悩んでいる人には、応えてあげたいと思う共感性があることです。そのため気楽に相談のできる相手が多くいることが大事。同時に相談を受けた時には、少しでも力になれる人間を目指すことです。広く成功できるコツはこんなところにもあります。
昔から起業で成功するためには、浅い付き合いの相手が多くいることが条件とされてきました。あまり親しい人は、個人的感情が先に立ってあまり頼りにならないとされます。それよりは、集まりで一度名刺交換をし2,3度軽く話した程度の人は、情報交換をするには最適とされています。客観的で、あまり損得を交えない情報が得られるからです。この種の人と多数知りえたらビジネスには役立ちます。
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