パリオリンピックが終わり、日本選手たちは全員日本に帰国するのかと思ったら、有名選手は各自の練習拠点のある国に戻って行きました。サニブラウン選手は米国へ、北口榛花選手はチェコといった具合です。考えてみると、日本選手が海外を拠点にしているケースは多いです。
逆に外国選手が日本を拠点にしているケースといいますと、柔道が直ぐ思い浮かぶ程度で、そこそこスポーツの強い国にしては教えられるばかりで教える側にはなれません。その柔道にしても、ネット上には日本選手が負けたときには、「もう日本に来るな」なんて心無い書き込みが多く見受けられました。
この日本人が海外でばかり修行する現象はスポーツに限った話しではありません。学術研究の世界でも海外から日本に向かう人は圧倒的に少なく、大半は日本から米欧にいく人ばかりです。日本では箔が就くといいますが、今では高校から米欧の大学に直接向かう人が増えました。
現在は学術研究ばかりでなく、経営にしても米欧の有名大学でMBA(経営管理修士)を個人の費用で取得する人が増えました。1990年代までは、勤務先の費用で取得する人がほとんどでしたが今は自力で学校に通っています。頑張る生徒には、資金を支援する制度が外国では整備されてます。
気になるのは、日本企業の代表例に取り上げられるトヨタ自動車の研究費用です。売上高÷研究費がトヨタは2.7% 一方、アマゾンは14.3% マイクロソフトは11.9%です。多分桁外れとはこのような時に使う言葉と思います。今では、まったく勝負にならなくなりました。
過って日本にはアジアから大勢の若者が日本に学びにやってきました。日本がアジアで戦前から長く尊敬される地位にあったのは、アジアの優秀な頭脳が日本に集まっていたからです。今では、インドや中国、韓国の優秀な人材の方が、米国で学ぶ人の数が日本よりも多くなっています。日本の将来はどうなのか不安です。
【ひとり言】
現在、多くの外国人が日本を訪れていますが、これは日本の物価が安いことが第一で、特段日本が大好きというわけではなさそうです。日本人も、1980年代90年代には中国、韓国、タイ、インドネシアから米欧まで世界観光に出かけていました。この夏休みには日本人も海外に出かけています。ただ知人が云うには、東南アジアでも物価高に圧倒され、過ってのように鷹揚な気持ちの旅行は夢のまた夢と云っています。すっかり貧しい日本になってしまいました。
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