コロナ感染が収まり、息を潜めていた事業が次々に息を吹き返しています。インバウンド人気で、コロナ前には多くの外国人観光客を集めていた民宿が再び注目を集めています。2020年4月には観光庁調べで2万1385件だった民宿件数が、24年7月時点で2万5326件まで増えています。
また20年当時と現在とでは宿泊者の割合に大きな変化が起きています。日本の民宿は、米国の宿泊サイトAirbnbの展開と共に日本各地に広がっていきました。そのため20年には国内の日本人客は27%しか利用していません。24年には44%まで日本人客が増えています。
同時にコロナ禍で多くのホテルや旅館が休業したため、宿泊施設の不足が影響して料金は大幅に上昇しています。ホテルなどでは約60%の料金が引上げられています。民泊も40%程度上昇しています。民泊の場合、大部屋で宿泊することもあり、一人当たりの料金換算にするともっと安くなります。
今後も成長の期待できる民宿ビジネスですが、日本では儲かると聞くと誰もが参入を考える傾向があります。今民宿ビジネスで主導権を握りそうなのが、最近成長が著しい民泊営業の運営会社です。不動産会社や建物の所有者から民泊の運営委託を受け、民泊数千室の運営を請け負う会社です。
経営する側の民泊ビジネスの強みは、接客業としてスタッフ数が少数で済むことです。今はどんなビジネスにしても人手不足が深刻ですから、多くのスタッフに頼らないビジネスは魅力的です。今はまだ利用する人の少ない、日本人の40代よりも上の世代が利用すると増々の成長が期待されます。
今から6年前北海道に行っていたわたしは、初めての民泊デビューを考えていました。最初は昔からの親しい友人宅に泊まり、そこから小樽の民宿に泊まろうと思ったのです。ところが初日の真夜中に震度7の北海道胆振東部地震に襲われたのです。民宿に電話で行けない旨云ったのですが、宿主は何としてでも来て欲しいの一点張り。経営が厳しく、一人のお客さんも逃したく気持ちで一杯のようでした。その後北海道はブラックアウトで交通機関は全て止まります。民宿デビューはほろ苦い思い出だけで終わりました。
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