産業革命以降、日本は高度な製造技術を駆使しモノづくりの得意な国とされてきました。ただ振り返ると、日本からこれまでに世界になかった新規製品を発明したことはありません。他国で生まれた製品をベースに改造したり縮小する技術は優れています。ほとんどは他国の製品の模倣から始まっています。
既に産業革命から200年以上が経っています。日本発の新製品というと今でもソニーのウォークマンくらいしかでてきません。最近その原因の一つとして、日本人の睡眠時間の短いことで新たな発明を生む能力を奪っているのではないかという意見が、脳科学者や睡眠学者から云われています。
OECD(経済協力開発機構)調べでは、加盟国の中で日本の平均睡眠時間は7時間22分で最低水準のようです。次いで韓国も7時間51分と短いですが日本よりは30分近く長いです。その他の国は日本や韓国とは比べものにならないくらい長く睡眠をとっています
ドイツが8時間18分、英国8時間28分、フランス8時間33分、インド8時間48分、アメリカ8時間51分、中国に至っては9時間02分です。どちらも日本より1時間以上は寝ています。睡眠が短いということでは、日本は働き者の証拠で美徳とされてきました。
日本の歴史には寝る時間を惜しんで働いて大きな財を築いた人が多数います。ただ個人的には多額の資産を残しましたが、全国レベルでは人の役にたったとは伝えられていません。これがビル・ゲイツやトーマス・エジソンとなると多くの人類の生活を豊かにしています。
睡眠不足によって、集中力や記憶力が低下することはよく知られています。またストレスや不安の原因にもなり、こじらせるとうつ病など精神疾患をも引き起こします。建設や作業現場では、睡眠不足による労働災害にもつながります。自動車運転の事故原因でも1割以上は睡眠不足と云われてきました。
もしこれから自分の能力を少しでも向上させたいと願うなら、自分の睡眠の質や時間に関してよく考える必要がありそうです。長いこと日本人は睡眠について無関心な時間が長すぎました。睡眠は起きている時以上に頭が活動しているようです。この時間を大事にすることで、自分の発想も変わるかもしれません。
確かに自分が開業する前後の数カ月は、満足に寝ることをしないで仕事をしていました。そんな時は、焦る気持ちばかりで冷静な判断とは縁のない生活をしていたと思います。事前準備の時の計画をそのまま踏襲した状態です。やはりしっかり寝ることは、重要なときほど大事なようです。受験のときなど寝ないことを自慢していましたが、今考えるとあまり賢い取り組みではありませんでした。
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