物流業界で話題になっていた「24年問題」は、ほとんど解決策を見いだせないまま間もなく9月になります。トラックもバスもタクシーも人手不足を解消する策はなく、人手不足はそのままの状態が続いています。米国も同じ問題に直面しましたが、あちらは給与の大幅引き上げを実現しました。
日本では有効な解決策がないまま、経済の枠組みを徐々に小さくすることで解決を図ろうとしています。米まで品不足が始まっていますし、全国のバス路線も減っています。国民が気づかないうちに、日本経済のパイは徐々に徐々に小さくなっているのが今の日本の現状といえそうです。
今度は「25年の壁」という言葉も聞こえ始めました。18年経済産業省のDXレポートの中で使われた言葉です。世界的にデジタル技術の活用が求められ、わが国でもビジネス競争に勝つためには新たなシステム導入が欠かせないとされてきました。ただ競争の緩い業界ではいまだにFAXやWindows 7を使っている会社も珍しくないです。
会社によっては、経営者や現場が個人的に使い勝手のよい古いシステムのままの会社も多数あります。この状態が続くと、わが国では一年間に12兆円を超える経済損失が発生するという警告です。実際に、コロナ禍以降IT人材が急速に増えたとも聞きませんし、25年の壁を突き破る動きも見られません。
唯一動き出していると云えるのは、18年以降IT企業間でM&Aが急速に増えたことぐらい。本来なら税制や補助金などで、DX化を進めない会社にはペナルティーを化し、力づくでITを進めないといつまでも25年の壁は残ります。DXが進まない会社ほど政治家との付き合いはよいとも云われます。
DX化に関しては、IT技術者の育成が遅れていることも原因ですし、経営者や政治家のITに関する理解が進まない現実も大きいです。この30年、日本を変えようとする気概が国民にも政治家にも欠けていました。これからでも遅くないので、ITを活用する気持ちを養いましょう。
米国でトラック運転手が大幅に減ったのは、自動運転車の開発が進むと仕事を失うことが知られているためと云われます。そこで思い切った給与アップを打ち出しました。自動運転といっても一気に切り替わるわけではなく、10年や20年はかかる大事業です。DXにおいても、生成AIによる自動プログラミングによって、今後はプログラマーが余ると心配する声もあります。これもそんな単純な話ではないし、長い時間のかかる話なので優遇策次第ではないかと思います。
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