昔と違い出店場所に関しては、一部の特別に人の集まる繁華街を除き今はそれほど難しくはありません。EC(電子商取引)の存在が大きくなるに従い、路面店へ開業する企業も減っています。特にコロナ禍以降は、閉店した店がなかなか再開できない地域もあります。
商品販売の店舗が街から減っている反面、飲食店は店舗確保が開業のための絶対条件です。今でも開業するにあたって集客力のある場所を探す必要があります。そんななか開業する場所を人通りの少ない場所にすることで、お客さんの期待を裏切る店舗があって注目しています。
この場合の期待は周辺にはほとんど飲食店がないため、お客さんが勝手に料理を期待しないことの期待を裏切るややっこしい感情です。東京・吉祥寺にあるイタリアンレストランですが、周辺にはほとんど飲食店はなくあるのは古道具屋や民家ばかりの一帯です。
初めて訪れるお客さんは、こんなところに店のあること自体が不思議に感じる場所です。そのため出される料理に期待を寄せる人はほとんどいません。ただ店内に一歩足を踏み入れただけで、うらぶれた店を想像していた期待は見事に裏切られます。
外からは全く見えませんでしたが、店内のテーブルはほぼ満員で空き待ちのお客さんまでいる店舗。料理を注文して食べ始めると、入店前の期待はまたまた裏切られます。文句なしに美味しいピッツァで、本格イタリアンの初心者でも納得できる味と雰囲気です。
このようなお客さんの思い込みを軽く裏切る商法は、お客さんからの忠誠心を高めるためには効果的な手法です。ただ飲食店の少ない場所に最初に呼び込むまでに時間がかかることは覚悟が必要です。そのための技術の高さやセンスの鍛え方も時間がかかります。
それでも今後自分の人生を左右する起業に立ち向かうためには、そのくらいの努力は必要です。一生ものの技術を身に着けるのですからそれなりの覚悟を考えておくべきです。繁華街では注目されない技術も、住宅に近い場所では評価も格段に高くなります。
起業する人間にとって店舗の家賃は負担が大きいです。特に最近は物価上昇と同時に家賃の上昇も半端ではありません。人気の繁華街などでは思いっきり家賃の上昇がはじまっています。そのため店舗としては、繁華街のメインストリートから少し外れた場所だと安くなります。この特典を利用しない手はありません。売上げには比例しない家賃の抑えた賃料は、起業を一日でも伸ばすためには欠かせない条件です。
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