毎日の生活で次々発生する課題にどう考えていくか、これは古くからの最も新しい問題です。10年以上前ならスマホアプリは今ほど利用されていなくて、もっぱら地図検索やメール機能など単純なことに使われました。自分の頭を駆使して考えるしか方法のなかった時代です。
そのため各種思考法が開発されビジネスの世界に広がりました。デザイン思考、システム思考、アジャイル思考など数多く生まれています。この頃は自分の頭を使い考える気力がありました。IT技術が高度化するのに合わせ、思考もレベルを高めようとしていました。
ところがこの2、3年は生成AIが普及するに従い、考えることをAIに頼る傾向が強くなっています。会社で資料や報告書を作るときは、多くの人がchatGTPやCopilotを使うようになりました。文章をまるまる生成AI頼りで作成することが当たり前になっています。
あまりAIに頼っていると自分の独自色がまったくなくなり、誰が資料を作っても同じようなものができてしまいます。下手をすると、同じ内容の資料ばかりが自社だけでなく、ライバル会社でも生まれることになります。これでは規模の大きな会社には敵わなくなります。
そうなるとビジネス上でどう個性をだすか大きな問題になりそうです。自分の頭で考える力のある人は有利です。特段高い思考能力を求めることより、簡単なフレームワークを身に着けるだけでも違います。早い話が起業の時に利用する、人、金、物、情報のことです。
できることなら頭の中であれこれと取り留めなく悩むよりは、紙の上に文字を書きながら考えることです。常に手を動かすことは大事です。これも日ごろの習慣にすることで対応できます。AIもその中で賢く利用することを考えるとよいです。
思考方法にもいろいろあるように、フレームワークにもSWOT分析やクロスロードモデル、ジョハリの窓、囚人のジレンマなど、大変な数あります。最初このフレーム探しはたいへんですが、自分独自のフレームを作れるようになるまでけっこう楽しめます。AIだけに頼っていると、早晩人生も頭打ちになりますから新たな道探しを早く進めた方がよいです。
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