アメリカ大統領選もいよいよ佳境に入ってきました。2016年以降トランプ前大統領は3度目の選挙になります。そしてこれまでの大統領選とはまったく違った様相の選挙になっています。過去の民主党と共和党との選挙というより、民主党とトランプ党との選挙です。そして疑問なのは、何でトランプ個人がこんなに人気があるのかです。
前回20年の選挙で敗れたときには、ホワイトハウスへ抗議することを支持者にけしかけています。退任後は4件の不正行為を訴えられていて、今回の選挙後には再び被告席に立たされる可能性もあります。また退任後にウクライナ侵攻を進めたロシア・プーチン大統領と連絡とり合っていたこともはっきりしています。
どう考えても世界最大の経済大国の大統領にふさわしい人間とは思えません。それでもアメリカの半数近い国民からは支持を得ています。何が彼を支持する動機なのか考えてみました。よく言われることですが、彼は政治家というよりは経済人です。彼が狙っているのはアメリカ国家のCEOではないかと思います。
そこで深堀したいのはアメリカの経済と国民との関係です。現在の米国の人口は24年6月現在3億3650万人。日本の人口は1億2488万人ですから約2.7倍もの人口です。この大国の家計が保有している金融資産額は122,5兆ドルにも達します。
1ドル=150円換算で円に直しますと1京8400億円。日本の家計の金融資産は2199兆円ですから8.3倍です。アメリカは日本と違い長期間経済成長が続いているだけでなく、個人の資金は銀行預金じゃなくて株式投資や投資信託に投じています。現職大統領にも好景気をもたらしてくれる経済成長が期待されています。
過去には何度か自分の会社を倒産させているトランプですが、経済とは無縁だったハリスよりもましと考える人が多いようです。しかも対立する中国企業より自国の企業を優先させる政策も歓迎されています。ただ日本やヨーロッパのような同盟国にとって、トランプは厄介な存在であることに変わりありません。
08年リーマンショック以降、アメリカの証券市場は右肩上がりの上昇が続いていて、先月も史上最高値を記録したばかり。日本国民ならもろ手を挙げて現政権を支持するでしょうが、経済を見る目の肥えているアメリカではもっと株価は上がるものと思っています。トランプ人気が衰えないのも、国民の資産形成に頼りになるからと思います。
日本の証券市場では、取引所の従業員がインサイダー取引をしていた疑惑があって現在捜査の最中です。金融庁に出向中の裁判官もインサイダー取引の疑惑があり、信託銀行の管理職社員もインサイダー取引です。新NISAで盛り上がっている証券業界ですが今では不正の温床になっています。 インサイダー取引は取引記録が全て記録されているため、犯罪行為はほぼ100%近くが逮捕されます。それくらい判りやすい犯罪で、この業界で仕事をする人はよく知っている話です。金融に対する日本国民のリテラシーは低いとしか言いようがありません。
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