1990年代から長いことIT技術を活用してビジネスをしてきた人間からみて、デジタル技術の進歩についていくのは大変なことです。特に利益が上がっているときほど、新たな技術習得に精をだす必要がありますが、ただ忙しさにかまけて徐々に遅れだしてきます。
ビジネスに携わっている人にとって、リスキリングは欠かすことのできない技術習得の方法です。現代は技術革新やビジネスモデルの変化が、これまでになく激しい時代。デジタル化による技術的な進歩によって、旧来型のビジネスは淘汰され、新たなビジネスに対応する必要性に迫られています。
日本の場合、他の先進諸国に比べ低い生産性を高めたい目的があります。特に、事務作業、製造業におけるオートメーション化、単純作業へのロボット導入など、生産性を高めるために会社の中では多くの余剰人員がでることが予想されます。
この配置換えから発生する余剰人員を減らすため、従業員の学び直し(リスキリング)の必要性に迫られています。既に時代の先端を走る大手企業の中には自前でリスキリングを実施している会社が多数あります。中堅・中小企業を中心に国は資金を提供して社員のリスキリングをしようというのが今回の狙いです。
リキスリングは勤務している会社の就業時間内に実施し。その上で学習者の処遇とセットになることが理想です。給与を貰いながら、この先の社内での仕事の方向性を考える制度ともいえます。とはいっても、現在人材不足が叫ばれている“データサイエンテスト”の研修を終えて直ぐなれるかというと、そう簡単な話ではありません。
現在乗っている船から、ひとっ飛びで他の船に乗り移るわけにはいかないと思いますが、早晩乗り換えないと生活できなくなる危機感を養うには十分役立つリスキリングです。積極的に取り組んで、今から自分の頭を鍛え直す心がけが今の時代には必要です。
多分皆さんも、1度のリスキリングの講習を受けただけで、新たな仕事ができるとは思っていないはず。やはり、2年、3年の時間をかけて新たな職種を探すことになると思います。どんな仕事を選ぶにしろ、常に当たり外れは生まれます。そこから再び探せばよいだけで、老後まで含めて息の長い仕事探しが続くと思った方がよいです。
マーケティング・経営ランキング