世界的にスマホが普及したことによって人間の行動は大きく変化しています。スマホ検索を利用することにより簡単に答えをだすことができるようになりました。辞書で調べることが圧倒的に少なくなっています。反対に人間の記憶力は、スマホの登場によって弱体化していることも確かです。
またぼんやり画像を見ている時間が長くなって、深くきめ細かく考える思考はどんどんしなくなっています。考えるよりもスマホで調べることで解決しますから、無理してあれこれ考えなくなっています。こんな国民の思考が変化していることを気づかせたのは今月行われた兵庫県知事選挙でした。
先月辞任したばかりの斎藤元彦知事が再選され、大騒ぎした兵庫県知事の騒ぎは一旦収束しました。ところが今度は、終えたばかりの知事選挙に不正があったとして騒ぎは再燃しています。選挙はとても短期間の争いです。下手をすると、選挙違反にさえならなければ、どんな手を使っても勝ったもの勝ちといった空気が支配します。
最近は年々選挙への関心も低くなって、今年の衆院選の全国投票率は53.8%。都知事選は60.6%です。ほぼ半数よりも少し多い程度の人しか投票していません。この低い投票数を土台にして日本の政治は運営されています。これから開業する人にとっても、この低い投票率が経済にも大きな影響を与えています。
そこで考えなければいけないのは、議員や知事に立候補している人はどのような政治を目指しているかです。兵庫県民ならば斎藤前知事は県民のために何をしてくれたのか。斎藤候補を支援する立花氏は何を目的に支援をしているのか。県民にどのような影響を及ぼすのか、そこが一番の問題です。
これはその他の野党側候補に対しても同じことがいえます。決して難しいことではありません。ネットによって多くの情報が飛び交っていますが、まずは全ての情報を疑ってかかることです。選挙になりますと普段と違って一挙に政治情報がネットで溢れます。ただ日本国民は政治に関してほとんど意見を聞いたり言ったりする機会はありません。
そんな人は政治免疫力がありませんから、赤子の手をひねるように騙されます。怖いのは、今回のようなパワハラや違法行為が選挙によってなかったことになると、同じことを再現しようとする人がでます。政治はますます歪んでしまいます。まるで政治が犯罪ロンダリングを果たし民主主義の形骸化はますます進みます。
もう忘れた人も多いと思いますが、立花氏は2年前の参院選にガーシー候補を立候補させた人物です。今年は都知事選でも、立候補者のポスター枠をPR用に使って批判を浴びました。民主主義の基本である選挙を舞台に、法律で規制されないことならなんでもありのの振る舞いは、日本国民の民主主義が痛めつけられています。既存政治に対する不満はありますが、民主主義を歪める行為を許容しては独裁者の思うつぼです。
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