今の日本、物価は気持ちがよいほどどんどん値上がりが続いています。もうほとんどインフレと思われますが、政府はいつまでもデフレ脱出宣言は出しません。よく景気は気からといいますが、今の日本はこのまま物価と賃金の上昇が続くのか、それとも打ち止めになるのか微妙なためです。
過去を振り返りますと、日本の企業は何もしない時代が長く続きました。価格をまったく動かさず、会社の経費や商品、サービスの費用を引き下げることばかりに注力してきました。約20年以上に渡って価格の引き下げばかりが関心でしたから、急に引上げと云われても特に中小企業の場合は簡単に上げられません。
会社経営においても、何もしないことが生き延びる知恵と考えている経営者も少なくないです。そのためコロナ感染前までは、企業間の格差はほとんど生まれづらい状況でした。それが2年前くらいから急に物価と賃金とが上昇を始めたわけです。恐るおそる価格や料金を引き上げついでに賃金も引き上げています。
ただ金利だけはまだ1%程度で思いの外上がってはいません。本来攻めの経営を考える人は、価格引き上げと賃上げが進む中で金利の上昇が遅れているなら、設備投資や採用者増加に目を向けるタイミングのはずです。企業が急成長したり急に成長が止まるのは現在のような時です。
この超低金利を経営に利用しない手はありません。ただ実際に日々の会社経営の中で、マニュアル車のギアを入れ替えるように仕組みを切り替えられる人は稀です。判ってはいても実際に実行できる人となると圧倒的に少数。多分事前の準備ができているかどうかが大きいようです。
一つ言えるのは、人の意見を聞いて動くか自分である程度予測していた上で動くかの違いです。またいくら金利が低いといっても、5%程度の利益が上がる対象となる事業を事前に探しておかないといきなりはムリ。日ごろからレベルの高いビジネスを心がけてください。
ビジネスの方向転換は難しい。特にデフレからインフレなんて大きな転換は、人生でもそうそう経験することはありません。そのため切り替えのタイミングは早すぎても失敗するし、遅くては話しになりません。これから起業する人にとって、そんなたいへんなことはムリと思うかもしれません。でも事業はそこを乗り越えて続けるしかない話です。
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