2024年、先進国や民主国家で実施された国政選挙において政権与党はほとんどが敗退しました。これらの国々ではインフレによる物価上昇が進んでおり、同時に一般国民と富裕層との間の格差もこれまでになく広がっています。そのため貧し国からの不法移民に対しこれまでのなく厳しい目が注がれています。
25年のなってもこの流れは変わりそうにありません。多くの国で移民の排斥運動を進める極右政党が支持を増やしており、暴力をテコに国外へ叩き出そうとする動きにもなっています。その典型ともいえるのが、アメリカのトランプ次期大統領ということになりそうです。
現在日本のマスコミは、石破首相がいつトランプ氏と直接面接するのか情報集めに奔走しています。多くの国で対米貿易が今後どのような展開になるのか、各国の経済にとって大きな影響を受けることになります。トランプ氏の現在の主張なら、対米輸出に対して関税が引き上げられる可能性があります。
また安倍政権の時のように必要ない製品を無理やり買わされる、取引を強いられる可能性も低くありません。1月20日の就任以降、直ぐにでも手を付けると思われる政策は1つ目が減税政策です。10年間で最大7.5兆ドル(約1177兆円)の減税を云いだしていますから、財政がますますの赤字幅を増大することが見込まれます。
2つ目は米国民の支持が強い株高政策です。そのためには金利を低くすることが必要ですが、FRB(連邦準備制度理事会)がトランプ氏の意向を汲んでくれるかどうか。なんせ短期間に強引に好景気を演出したい人ですから、無理は承知で次々に目玉政策を繰り出し過去にはなかった経済成長にすることが目的です。
このような政策は決して米国民を幸福にしようとか、世界を平和にする目的で進めるわけではありません。多分トランプ氏は一握りの才能のある人間が世界を支え、繁栄と幸福をもたらすと考えて行動していると言われています。この考えにはイーロン・マスクも同じ考えのようです。
トランプ氏の本質はリバタリアニズム(自由至上主義者)と言われますが、公的な規制を最も嫌い、大衆は才能のある人間の足を引っ張る存在としかみていません。現在、トランプ氏ばかりでなく、日本にも世界の政界にもこの思想の人は少なくないと言われます。まもなくこの独り善がりと思われる政治がアメリカで始まろうとしています。
わたしのような小市民からみると、トランプ氏が進めようとしている政治は、中国の習近平と何ら変わらないように思えて仕方ありません。共産主義というよりも全体主義による国家運営です。優秀な個人の力で全ての問題は解決できると考えているようですが、なんかとんでもなく悪い薬を飲んでいるとしか思えません。
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