昨年世界の先進国は、そのほとんどの国で政権政党が総選挙で敗れた年でした。フランスやカナダは選挙ころなかったものの、どちらも内閣支持率が低くカナダ・トルドー首相は早々に辞任を発表しています。世界でリーダーのいない状態が続いていて、「Gゼロ」の世界とも云われています。
Gゼロは聞きなれない言葉ですが、世界的にリーダーシップが欠如している状態をいい、今は危機的なレベルまで達しているようです。しかもその時のために補完的役割を果たすはずの国際連合や国連安全保障理事会、国際通貨基金といった主要国際機関も立場が弱く、国際ルールはほぼ守られていません。
そのような環境の中でロシヤによるウクライナ侵攻、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエルの攻撃が発生しています。米国次期大統領のトランプ氏は就任前から大きな顔をしていますが、彼が掲げているのはアメリカファースト。世界最大の経済力と軍事力を背景に脅すだけで、問題を根本的に解決する気はありません。
2013年9月、当時のアメリカ・オバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言して以降、Gゼロの不安定な世界の到来は予測されていました。中国はアメリカに対し、世界を二分割して支配をしようと提案しています。14年にはロシアが最初のウクライナ侵攻によってクルミア半島を奪っています。
実は、Gゼロが始まったのは昨日今日の話しではなく、今から10年以上前からその気配は始まっていました。そしてGゼロの世界においては、気候変動や感染症など多国が協力して立ち向かう問題解決が難しくなります。国家同士が対立する武力紛争や軍拡競争も発生しやすくなります。
現在の世界を見渡しても、リーダーシップを取れそうな国際政治家は今の世界にいそうにありません。世界はムリにしても東南アジアや東アジアが協力して、地域の平和を確立することのできる政治家は必要です。日本人で今の対立するこの地域に平和をもたらすことのできる政治家の出現を期待しています。
これからの事業を考えると、まず日本が平和であることが最も大事です。武力紛争を起こすと、勝ったにしろ負けたにしろ国はたいへん消耗してしまいます。アメリカも大戦後世界で最も戦争状態を長く続けてきました。そのため想像以上にアメリカの国力は衰えてしまいました。大戦後の朝鮮戦争を手始めに、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争など、戦争をしていない時期を探す方が苦労します。しかも現在、アメリカや中国を除くと世界のリーダーになれる国は限られています。
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