これまでビジネスというと、モノやサービスの売買ばかりを考えてきました。現代はインターネット環境が整備されたことで、ビジネスの枠が大きく広がってきました。売買の対象が大きく変わり、シェリングエコノミー(共有型経済)と呼ばれる世界が、我々の周りに広がり始めています。
フリーマーケット、シェアサイクル、民泊、家事代行、貸駐車場、カーシェア、ルームシェアなど、この20年ほどの間に急速に広がってきました。個人が保有しているモノ、場所、技術、能力などをネットを介して売り買いや貸し出す仕組みです。個人間でのやり取りが取引の基本になります。
わたしの知人は市役所の近くに自宅があります。今は乗用車を手放して自宅前の2台分の駐車場がほとんど空き地状態でした。そこを市役所にくる車向けに貸し駐車場として活用しています。有名な駐車場仲介ビジネスの会社を通じて貸すことで、毎月5万円程度の収入を上げることが可能になりました。
このような手っ取り早いビジネスが今急速に増えています。この速成駐車場サービスを提供してるのは、マッチングアプリを開発した大阪に本社を置くアキッパです。自宅の駐車場を提供したい持ち主は、アキッパのサイトに駐車場所と空いてる日時、駐車料金とを登録しておきます。
後は利用者が検索して、自分の希望に合う駐車場を探して予約する仕組みです。駐車場所有者も駐車場利用者も、マッチングサイトの運営会社もウインウインの関係が成立します。民泊も家事代行も同じような仕組みによって運営が可能になっています。今話題の時間単位のバイト「タイミー」にしても仕組みはほぼ一緒です。
空間のシェアか、スキル(技術)のシェアか、車など対象物のシェアかなどありますが、ほとんどマッチングアプリによってビジネスが出来上がります。関係する団体の想定では、22年度には既に約2兆6千億円まで市場は広がっています。今後もこの市場は拡大が予想されています。
このシェアリングエコノミーは専業で取り組んでいる人よりも、副業や年金生活者の人が片手間でやっているケースが多いようです。もし起業として取り組むなら、身の回りにある活用されていない空間やスキルのマッチングアプリ開発をすることで、起業家気分を味あうこともこのビジネスなら可能です。
シェアリングエコノミーの仲介ビジネスは、今後ますます立ち上げる人が増えそうです。多分、一度ビジネスとして立ち上げるとその後は色んな切り口が思い浮かびそう。ただ比較的簡単に立ち上げれるため、新たなビジネスの生まれる余地が大きく、寿命の短いことが欠点です。今後マッチングアプリはますます誕生すると予想されますから、時間のある人は一度挑戦するのもよいと思います。
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