2023年後半、コロナ感染が収束に向かいはじめたころから、この国の経済は徐々に動き出しています。一つはインフレによる物価上昇が本気で動きはじめたこと。1990年代後半からほとんど動かなかった物価は、日銀の物価目標2%を飛び越えて上がり続けています。
二つ目は物価上昇に伴って、勤労者の給与も本格的に上がりはじめたこと。給与の上昇は公務員給与が上がると本物とされますが、わが国では24年4月からやっと上がりはじめました。ただ物価上昇の上げ幅の方が大きいため、実質的に勤労者の収入はまだ物価に追いついていない状態です。
三つ目は、企業倒産が24年あたりから急増していること。コロナの時にゼロゼロ融資を受けた会社が返済に苦しんでいます。また24年一年間で、上場企業は1万人を超える早期・希望退職者の募集がありました。業績自体は決して悪くはないのに、社員の首切りを進める会社が増えています。
四つ目は、物価上昇に伴って金利が上がり始めています。日銀は政策金利を0.5%まで引き上げて物価上昇の沈静化を進めています。これまで20年以上に渡って物価も金利も上がらなかったのがここにきて展開が一変しています。インフレに不慣れな人が多いため大きな失敗を犯すことも増えそうです。
こんな経済環境のなかでの開業でですから、リスクが非常に高いことも確かです。とても開業のしやすい環境の中で開業することで上手くいくかといいますと、案外多くの人が開業に走って競争が激しくなるなんてこともあります。今はほとんど人が経験したことのない中での開業ですから、人より早く経験を積むことで面白いビジネスができそうです。
インフレ、金利上昇、人手不足など、これまでほとんどの人が経験したことのない経済状況が相次いで発生しています。これまでと同じ発想で取り組んでいると、たいへん大きな失敗を犯します。また根拠もなしに新たなことをするとリスクが多き過ぎます。昔からよく言われることに、新しい変化と思えることでも実は事前に対応している地域や人物はいるものです。
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