わが国では、バブル崩壊後約30年近くに渡ってデフレ経済が続いてきました。物価も賃金も下がりもしなければ上がりもしない経済が沈静した状態です。この間、新たに起業をする人が少ない代わりに、利益の上がらないゾンビ企業もぬくぬくと生き延びてきました。
この間、阪神大震災、リーマンショック、東日本大震災など国を揺るがす大震災や人災が発生しています。それでも日本社会はほとんど変わることなく、息を潜めてアメリカの庇護のもと世界の経済大国として何とか生き抜いてきました。
ただ2020年に発生したコロナ感染を契機に、経済ではインフレが発生し他国並みに国民に危機感が芽生えてきました。最近農水産物の価格が上昇をはじめて、やっと生産意欲が沸いてきたと発言する生産者の声が聞こえてくるようになりました。
物価の優等生などとおだてられていた鶏卵も、価格がどんどん上がり始めて業界には活気が生まれているといわれます。この国もやっと世界並みの変化を実感できる環境が生まれてきています。ゾンビ企業と云われた利益の出せない会社の倒産も増えています。
そんななか政治の世界だけはいつまでも、アメリカ大統領のご機嫌取りに終始するトランプ詣によって石破人気の上昇がはじまったようです。アメリカはトランプ大統領の再度の登場により大きく変わりました。「アメリカ第一主義」を叫び同盟国の利益などまったく考えていません。
日本政府はこの変化に応えて、日本独自の外交政策を追求しないと米中両大国の間でおもちゃにされます。大体現在トランプに面会を求めてワシントンDCに赴く各国首脳などどこにいません。何のメリットもないのにのこのこ出かけ、関税を引き上げられる首脳など石破くらいなもの。
多分アメリカ大統領と懇意になると首相の座が安泰になる言い伝えに縛られているようです。中曽根とレーガン、小泉とブッシュ、安倍とトランプというように、共和党大統領と自民党首相は相性がよいようです。ただ国民にとっては迷惑な話です。
日本の経済大国の座もそろそろ危うくなっていますから、アメリカの保護とは決別して日本独自の存在感を確立する時期に差し掛かっているようです。企業ばかりを優遇する政治から離れて、日本国民を大事にする民主国家の原点を追求するときです。
日本はアメリカに基地を多数提供し、首都圏の制空権の一部をも渡しています。日米地位協定は日本が敗戦した先の戦争を今もひきづっている状態です。あのドイツでさえ、今は完全にアメリカ軍は撤退しています。日本というよりも自民党にとっては、アメリカが日本に足場を残していることが党の安全保障となっています。日米の仕組みを変えられない日本とは、自民党の世襲議員にとっての命綱のように思えます。
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