以前人事担当者に聞いた話ですが、就職活動をしている学生に人事担当者が考える最大の関心事は、学生が「自分の欠点や限界を認識しているかどうか」のようです。限界を知っている人は、自身の進む方向や欠点の補い方が見えるようです。深く考えることをしない学生は、ノー天気に何でもできる錯覚に陥りがち。
優秀な学校に通う学生は、自分より優れた人間など多数いることに早くに気付きます。そのため自分の活躍の場を探そうとするなら、人が取り組もうとしない新たな場所を探すことを考えます。自分の欠点や限界を知ることで、人生の早い段階で挫折を経験することでもあります。
一方、実際に会社で仕事をしているビジネスパーソンの場合、業務での能力が高い人ほど「自分の業界での価値」を知りたくなると云われます。特に現在の仕事内容や給与などに満足していない人ほど。「自分の価値」を知りたい気持ちが嵩じますと、転職や起業に走る人がでてきます。
特に大きな会社に勤めている人ほど、他人と比べた自分の価値が知りたくなる傾向が強いようです。その結果実際に転職する人も少なくありません。多くの人は、自分が予想していたほど価値のないことを知らされるといいます。会社のブランドに保護された価値が、自分の価値の実態であることを知ります。
その中の一部の人は起業に走ることになります。ただ会社勤めとは違って、実力や能力ばかりでなく「運」が大きなウェートを占めます。時の運、人との出会いの運、金運など、会社勤務ではほとんど気にすることのなかった要素が加わります。起業では自分自身への投資でもありますから勤めている時とは全く違います。
もし起業前に自分の価値を知りたいと思うなら、違う会社の人と本音で仕事の話しをすること。そんな交流を増やしていますと、自然と自分の価値は見えてきますし、起業での可能性も少しは見えてくることになります。転職するにしても、起業にしても他流試合をすることで少しは自分を知ることができます。
【ひとり言】
他の会社の人の話を聴くにしたがって、一社一社の仕組みや規則がけっこう違うことに気付きます。経理にしても、営業にしても、仕事の目的は同じであっても、そのプロセスはまったく違っています。転職すると、この違いに戸惑って馴染めない人が多いともいわれます。事前の心構えができていると結果も違いますから、一人で悩むより情報を多く集めて判断するとよいです。
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