米国トランプ大統領が就任して1カ月が過ぎました。連日多くの人々を驚かす大統領令が発令され、不安を感じる人も少なくないようです。日本国民でさえビックリする内容が多いですからアメリカ国民には相当刺激の強い内容になっていると思います。支持率が如実に物語っています。
CNNの調査では支持率47%、不支持率52%と真っ二つに割れています。決して国民の誰もが支持しているわけではなく、トランプ政策の反対も半数以上います。特に話題になっているのは、バイデン前大統領が強力に押し進めたDEIプログラムを全面否定したことです。
「多様性」「公平性」「包括性」を意味するDEIプログラムは、2020年に黒人のジョージ・フロイドさんが警察官に殺害されたとき、アメリカ社会の不安を取り除くために導入されました。人種、性別、年齢、障害、退役軍人などを理由に差別することを禁じています。最高裁は性的少数者も付け加えています。
トランプはこのDEIに対し正面から反対しています。今後は企業や公的機関の採用に当たっての差別が大きな問題として浮上しそうです。これはアメリカだけでなく、自国第一主義を掲げる各国の極右政党が政権を取ったとき、トランプを真似て政策として掲げると思われます。
この反DEIの動きは、現在ヨーロッパで広がっています。反移民政策を掲げるヨーロッパ各国の極右政党は、自国内での差別においても共通項があります。そしてロシアのプーチン政権とも脈絡を通じています。トランプ政権は一皮むくと強権政治を目指しているとしか思えません。
この世界の動きに対して日本はどの方向に進むのか、日本でビジネスをする人間としては避けられない問題です。これまでのようにアべったりの政策では、トランプに運命をゆだねることになります。かといって自民党がアメリカから離れて一本立ちすることはムリな話。
トランプに日米同盟とか世界平和とか言っても、相手は取引一辺倒の人間。ただ現在のトランプ政治が今後4年以上続くとも思えません。4年間じっと耐えるか、下手をすると日本の政治家の中にトランプの手法を真似る人がでる可能性さえあります。一人ひとりがこの先どう方向性を決めるのか。
【ひとり言】
アメリカのバンス副大統領はミュンヘンで、「私が欧州に関して最も懸念している脅威は、ロシアや中国でもない。欧州内部に存在する脅威だ」と発言して世界を驚かせました。何のことはないプーチンや習近平と同じ、自分は独裁者だということです。民主主義ではモノゴト簡単には決まりませんが、独裁国は独裁者の判断が国の判断です。この圧力が今後は日本にも襲ってきそうで、これは大変なことです。
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