埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故から間もなく1月になります。運悪く陥没時にトラックで通行し、車体ごと下水道管に落ちた運転手は今だに発見されていません。この事故の直接の原因は、ほぼ50年以上前建設された下水道施設が老朽化した現在もそのまま活用されていることです。
本来なら更新作業によってリニューアルしたうえで施設は使われるはずですが、わが国は現場力が秀でています。よく現場で使われる「騙しだまし使用する」ことによって、耐久年度が過ぎても使い続けます。そして騙し続けられなくなった結果、今回のような大きな陥没事故を起こすことにもなります。
日本の場合、高度成長期の1970年代には上水道も下水道も約80%の施設が全国で完成しています。日本は列島改造の名のもと短期間に一気に国土建設を進めたため、施設の更新時期が同時に発生する不幸を抱えています。多分に施設の安全管理より、建設・土木会社の経営上の都合に合わせた更新作業が行われていると思われます。
現在のままでは、各地で下水も上水も施設の老朽化による事故が多発する可能性があります。財政に余裕のない自治体は、陥没事故が発生しても放置しておくしかなくなります。なんせ今だに個々の自治体が上下水道の事業所を抱え、技術者が不足しているなかでも独自で運営している状態です。
本来は水の流れによって管理されるべき公的事業です。経費や技術の保存を考えるなら、水の流域を単位にした広域の事業体によって運営されるべき事業のはず。行政と地域経済とが癒着している現状では、いつまで経っても効果的な管理体制はできそうにありません。その代わり今後ますます上下水道料金は上がる一方です。
今回八潮市の陥没事故をきっかけに下上水道の持続的運営を考えるキッカケにすべきです。20年以上も前から、この水の問題はわが国の国家運営の根幹にかかわる問題として警鐘はなり続いていました。民政化が本当に合理的なのか、他に方法はないのか、早急に真剣に取り組まないと水道水が飲めなくなります。
わが国は、戦後急速な発展を遂げてきましたが、それはよいことばかりでありません。時期が集中することに伴う弊害はいくつも起こっています。特に政治がからむ問題は、簡単には修正ができない問題ばかり。今問題になっている裏金問題だって、このような事業者たちによって何枚ものパーティー券が買われ、工事代金が政治資金へとカタチを代えて還流することになります。この仕組みを守るために改修工事が遅れるようなことがあると、国民の安全な生活は一変することになります。
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