ウクライナ情勢はトランプ、ゼレンスキーの両大統領の言い争いにより、いよいよのっぴきならない立場に追い込まれています。ウクライナとロシアとの戦争と同時に、アメリカとウクライナとの諍いまで起きています。この両国の諍いの原因は、トランプが言い出した「ロシアとの戦争をウクライナが始めた」にあります。
偽情報に乗っかっているのか、意識的に言い出しているのか分かりません。プーチンは2022年2月24日にウクライナ東部ドンバスへ特別軍事作戦を開始しています。これに先立つ2014年2月20日にも侵攻を進め、クルミア半島を力づくで奪っています。これら軍事行動はロシア自身が認めていること。
なのにトランプは何故「戦争をウクライナが始めた」と発言を続けるのか、この戦争開始の状況認識が違っているのに仲介に入るのはムリがあります。しかも米大統領選挙中には何度も、「自分なら1日で戦争を終わらせる」と豪語。この台詞に自分自身が縛られ、勝手に終わらせることだけを目的にしています。
フランスの人類学者マニュエル・トッドは、ロシアとウクライナの武力衝突は結果的にアメリカの敗北と云っています。現在のアメリカの産業システムでは、ウクライナに十分な武器提供ができないのが現実。今のアメリカの若者は大半が金儲けに走るため、エンジニアの成りてが少なく製造業に関わる人もとても少ない。
結局は外国から留学している若者に頼るしかないのが現実です。トランプはこの現実を知ってか知らずか、アメリカの製造業復活を目指して高関税政策に取り組んでいます。最後はアメリカ国内での製造が難しく、今以上のインフレになるとトッドは予言しています。彼はソ連の崩壊を予言しましたが、アメリカの将来にも不吉なものが見えるようです。
民主主義政治においては、政権交代で新しい指導者が誕生してから100日間はハネムーン期間とされます。少しは新大統領に乱暴な判断があっても、メディアは目を瞑って見守る習慣があります。アメリカのメディアもほとんど批判は控えています。ただ100日が過ぎる4月29日まではハネムーンです。
トランプもここまでは、メディアから非難されることなく王様気分で過ごせるわけです。発言には抜け目のないトランプですから、メディアの批判のないことは十分承知と思われます。それまでに仲介を完了させようとしているのでしょうか。1度目の大統領当選時には、プーチンの支援が話題になりました。今回プーチンの庇護は、なくなってしまったのでしょうか。
フランス F2の報道によりますと、プーチンは14年に占拠したウクライナ東部に娯楽施設の建設を進めているようです。トランプが中東ガザ地区に建設を計画したのと同じ類の話しです。アメリカとロシアというと敵対関係にあるように想像しますが、トランプとプーチンは同じ夢をみているのかも知れません。この連中のために戦争で亡くなる人のことを考えると、本当に可哀そうです仕方がありません。
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