おにぎり店の開業は一向に収まる気配がありません。最近は過っての寿司ブームに似て、各地でこだわりのおにぎり店が次々に誕生しています。ハンバーガーのように具材を挟むスタイルのおにぎり。炭火で表面をあぶりこんがりと焼き目の入ったおにぎり。
販売競争がどんどん激しくなっているてめ、他店との差別化にもますます力が入っています。そのため価格もうなぎ上りで、1個300円台も珍しくなく、海老天むすびは421円、うなぎと生七味は734円といった具合。1度は物珍しさで食べてもいつもというわけにいくかどうか。
最近はこれまでまったく問題視されていなかったコメ不足の問題が浮上しています。おにぎりブームが盛り上がると同時期の昨年あたりから、深刻な問題になっています。当初は一部の卸業者による買い占めと云われてきました。実際はわが国が50年近くに渡って抱える米作問題があります。
米作生産者の高齢化、来日する外国人観光客のコメ消費、世界的に広がる日本食ブームなど大きな問題があります。おにぎり店は、長期的にはこれらの問題を抱えての開業ということになります。特におにぎりの場合は、品質のよいコメを長期間安定的に確保する必要があります。
似たような業種にラーメン店があります。この業界では3年の壁が話題になってます。開業して3年くらいまでは、マスコミに取り上げられ人気店としてちやほやされますが。ただその後は新たな競合店が次々に生まれ、お客さんから飽きられる苦しみが待っています。
今は珈琲店のコメダまでがおにぎり店を開業する時代。この開業が相次ぐ中で慌てて開業しても、今のラーメン業界と同じような結果にしかならないようです。おにぎり店開業はとてもハードルの低いビジネス。ブームが去って落ち着いておにぎりを味わえる環境になったからの開業でも遅くないです。
今のビジネスの世界は、コロナ感染のときにゼロゼロ融資を受けたり、緊急支援があったりでその清算の時期が続いています。多くの業界は過去最高の倒産件数を記録しています。このタイミングで開業するのはあまり賢い行動ではないようです。世界的にもトランプの登場で大騒ぎをしてますが、まもなくインフレと不景気風が強くなりそうですから、不確定要素の多いトランプ時代の開業は考えものです。
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