日本経済がデフレに悩まされた30年を経て振り返えると、世界レベルの起業家がほとんど育っていないことに気付きます。新規の株式上場にこぎ着けた会社はありますが、世界レベルまで成長した会社というと精々メルカリくらいしか思い浮かびません。今は企業上場を果たすとそこで満足してる経営者ばかりです。
孫正義氏、柳井正氏、永守重信氏など、代表的創業経営者は大半が60代以上の人ばかりで、その下の世代にはほとんど有名人はいません。起業する人自体が少ないうえ、上手く成功してもほとんどの経営者は国内上位で満足しています。よく言われる、外車や競走馬、彼女を手に入れて満足する人も少なくないです。
金融の世界には「大成する経営者はカネの匂いがしない」という名言があります。スティーブ・ジョブズや山田進太郎氏などはT-シャツや長袖姿ばかりで、金目の服装や装飾品を身に着けることはほとんどありません。多分ビジネスの目標レベルが高いため、関心が目先のことには向かないと思われます。
企業経営者ですから金儲けには人一倍関心があるはず。他人にはその関心をおくびにも出さないのが優秀な経営者のスタイルです。金融市場の投資家たちは、この若い経営者からのカネの匂いに敏感です。経営者は決して内心を公にすることはありませんから、発言や身なりを通して経営者の関心を憶測します。
これは経営者だけに限った話ではないです。目標を持たない人間ほど頼りないものはありません。それが経営者ということになりますと、資金を提供する金融関係者ばかりでなく、従業員も、取引先もいい迷惑です。多くの人に迷惑をかけることにもなります。
慌てて起業するよりも、立ち上げる前に自分の将来にしっかりした目標を用意すること。そのためには日ごろから高いレベルでビジネスを考える人たちとの交流が必要です。周りの人の言動には大きな影響を受けます。
起業したとき人間はなりふり構わず事業を軌道に乗せるため必死に頑張りますが、その分軌道に乗ると事業に飽きることも起こります。緊張感が長いこと続くと、その反動で緊張から遠ざかろうとしますからビジネスに飽きる気持ちが強くなります。この飽きに対抗するための対策も事前に考えておくことも大事です。起業で失敗する原因などいくらでもあります。
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