「廃業や倒産が急増している現在は、開業する人にとって最良のタイミングなのでは」 最近このような発言やネット上の文章を見ることが増えました。会社勤めを続けながら開業を考える人にとって、現在は最良のタイミングと映る人は少なくないようです。
会社経営者の高齢化が進んでいますし、インフレによる物価上昇も半端じゃありません。資金的に事業を継続することが難しい会社は少なくありません。日ごろから考えている事業の同業者が廃業するなら、このタイミングで開業するのも悪い話ではありません。
ただ考えないといけないのは、果たして現在の経済状態が開業に適しているかどうかです。外的環境が開業には追い風になるとしても、今後トランプショックによって景気が一段と悪化するなら、現在開業を諦めようとしている経営者と同じ道を歩むことになります。
「落下してるナイフは掴むな」というビジネスの教訓があります。何かの事情で頭の上から落下しているナイフを素手で止めるために掴む行為です。今の時期はまだ景気がはっきりしてなく、一つ間違えるとトランプ関税の影響で簡単に不況の波に飲み込まれる可能性制さえあります。
現状の景気の良し悪しを知るには、多くの人が株式相場の動きを参考にして判断します。ただ株価には将来予測が多く入り込んでいて、目先の良し悪しに大きく振れる、当たるも八卦当たらぬも八卦の要素が混じっています。
この開業アイデア自体も一時の思い付き要素が強く、アイデアには欠くことのできない事前調査が欠落しています。もし本気で開業を考えるならしっかり開業したい業種を絞り込み、どんどんアイデアを出しながらもっと具体的な開業実現に行動してもらいたいものです。
ビジネスを成功させるのも、失敗で終わるのもタイミングが大きく影響しています。追い風が吹いているときなら、そんなに苦労しなくても成果が上がります。逆に経済が縮小しているときは、どんなに頑張っても成果は期待できません。そのため起業するときには余力がないだけに、景気の風の吹き方を見る目は必要です。
マーケティング・経営ランキング