米国におけるトランプ大統領の再登場は、世界の多くの国の指導者にとりトランプの利己主義と否が応でも向かわざるを得なくしています。自分の利益や満足を最優先させるために行動をするのが利己主義。他人を無視することによって成立する行動原理ですから、いたるところで軋轢を産むことになります。
ビジネスの世界においては、利己主義がカタチを変えた利益至上主義となって現れます。昨年までは企業経営においても、経営セミナーなどでもよく取り上げられたSDGs(持続可能な開発目標)もESG(環境・社会・ガバナンス)もすっかり影を潜めました。利益至上主義者にとっては環境問題などまったく歓迎されないテーマになりました。
ただトランプ大統領の就任から間もなく4カ月が過ぎます。最近トランプとその支持者だったマスクとが対立し始め、利己主義者は自分の利益を最優先させるため最後は仲間割れでぶつかり合うことになります。マスクに関しては、テスラの共同創業者のエバーバートとも喧嘩別れをし、創業者の名称を巡って裁判沙汰にまでなっています。
これからの企業経営において利益至上主義に走るのは危険です。最近、パーパス経営という言葉をよく聞くようになりました。自分の会社はどのような存在意義があるのか、この意義を重視して従業員のモチベーションを高め、会社のブランド価値を高めようとする経営です。
起業したばかりの時は、会社の生き残りをかけ利益を高めるばかりに気が向きがちです。実は利益以上に会社の存在意義を追求することによって、利益につなげる近道を探すことが可能になります。くれぐれも利益至上主義には警戒してください。
会社の存在意義を言うと、そんなきれいごとでは起業はできないとよく言われます。ただ起業する前にどれだけ自分の会社の存在意義を考えたか問いたい気持ちになります。どこにでもあるような会社を設立して、存在意義を主張しても始まりません。設立前から、他の会社にはない存在意義を深く考えて起業することが、利益至上主義に陥らない唯一の方法です。
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