参議院選挙もいよいよ最終版にさしかかり、本来なら日本のこれからの方針を決める大事な局面に差し掛かっているはずです。バブル崩壊から30年近く経ってやっと、この国の経済は消費者物価も労働賃金も長いこと動かない異常事態にあることを、国民の多くがやっと気づいた選挙ということになります。
これまでは自公政権が安定していることにより、日本の政府は大きな間違いをしないという思い込みがありました。ところが他の先進国は不況でも1%以上の経済成長を長年続けてきて、日本との間の経済力の差は大きくなっています。日本は20年代までに時給1500円の最低賃金が目標なのに、ドイツは27年には時給14.6ユーロ(2500円)です。
外国人観光客がどんどん日本に押し寄せるのも、物価が半額強ですから高い交通費を払ってもきます。今回の選挙はどんなに貧しくても安定政権に任すのか、ここで政権を切り替えてすっかり停滞した経済を見直すのか大事な国政選挙だったはず。しかもトランプ関税への対応についても国を挙げて真剣に考えるタイミングでした。
それが参政党が言い出した外国人労働者への排除キャンペーンにより、日本国民の存亡がかかった問題のようにすり替えられました。外国人労働者が増えていると云っても320万人で日本全体の3%弱程度です。しかも農業、漁業、建設、土木、運送などの現場では、外国人労働者を抜きでは事業が成り立たない会社が多数あります。
外国人犯罪も警察庁のデータをみると、最近急速に増えているわけでもありません。アメリカが咳をすると風邪をひくと云われる日本です。トランプの反移民政策をニュースで見ていると、次は日本で起こるかもしれないと錯覚しがちです。まんまとこの日本人の思考回路を悪用されたような気がしてなりません。
また日本人ファーストというキャッチコピーにしても、日本がアメリカ並みに自国第一主義と反グローバルを言い出すと、日本国民に対して安全で安心を真剣に考えているのか不安です。日本の食料自給率は38%、エネルギーは15%。どちらも100%超えるアメリカと違い、日本は他国国からの大量輸入に依存しています。
反グローバルで自由貿易に反対すると、日本国民の生活は干せ上がってしまいます。日本は他国との貿易によって富を貯めてきました。外国人労働者がいなくて、自由貿易が不可能になると日本という国はアジアの東に貧しい島国になってしまいます。現実の正視しないで選挙に勝つことばかりのデマを流すと、この国はますます細ってしまいます。
わが国ではこれまで、政治によるデマを国民が信じて大きな判断の誤りを繰り替えています。2005年には当時の小泉首相による「郵政選挙」が行われました。郵政民営化で構造改革を謳いましたが、現在の日本郵政グループをみて分かるように掛け声だけでした。「アベノミクス」も国の借金と日銀による大量の株式保有だけが今も残ったままです。自民党の嘘が止まると今度は参政党が似たようなことをする始末。国民に問題があるのかも知れません。
マーケティング・経営ランキング