世界の主要国と比べ、日本での生成AI利用率があまりに低いことが話題になっています。個人を対象にした24年の調査によりますと、日本が9.1%なのに対し中国50%、米国46%、英国39%、ドイツ34%と桁が一桁違うほど差があります。ここでも日本の個人ベースの貧困を考えさせられます。
一方企業を対象にしたビジネスベースでは、インド59%、中国50%、韓国40%、英国37%、米国33%、ドイツ32%で日本は34%。個人ほど極端ではありませんが、それでも企業の利用も決して高いとはいえません。生成AIに関しても、日本での利用の低さはやはり今後問題を残しそうです。
ただ米国マサチューセッツ工科大学が実施した研究はユニークです。小論文を生成AIを利用して作成するグループと、グーグル検索を利用して作るグループと、何も使わずに自分の知識だけで論文作りをするグループとに分けました。その上で論文作りによる考える力を鍛える利用法を調べています。
予想通りといいますか、AIを活用して論文の作成したグループはスピードも速く手際よく完成しましたが、ほとんど思考力は鍛えられないそうです。単にネットを利用して作業をしただけで終わっているようです。確かに会議向け資料は簡単に作れますが、アイデア出しに関わるような思考力は働かないで終わりです。
逆に自分の脳の中の知識だけを最大限利用した人は、時間もかかりますしたいへん苦労しましたが、資料の内容に関してはしっかり記憶されていて思考力が鍛えられていることが判ります。日本人の一部からはそれみたかと声が聞こえそうです。わたしも調べ物はほとんど生成AIを利用してますからこれらの調査結果はよく理解できます。
ただ生成AIをまったく使わないで、ネットでクリエーティブな仕事をするのはやはり愚かです。論文作成にしても、最初の骨組み作りは自分の知識を最大限使って作成すべきです。そのうえでデータ調べや、他の分野の参考資料作りなどは生成AIに任せた方が、厚みのある論文づくりに役立ちます。
日本では、学生ばかりが生成AIの利用が多くて、そのほかの世代ではあまり利用されていないようです。これは長い人生を考えたとき利用対象を間違えていて、学生はもっと思考力を鍛えるために自分の脳を使ってもらいたいし、社会人は生成AIをもっと利用しないと外国人にスピードの面で劣ってしまいます。
日本では今後生成AIの利用が広がってくると、企業は新卒学生の一斉採用は減ってくると予告する人が増えています。新入社員が入社して最初に手掛ける管理職のデータ集めやアシスタントの役割を生成AIで十分間に合うからです。文章作成にしても、定型の案内文やあいさつ文など生成AIの仕事で十分に間に合います。いよいよAIに仕事を奪われる時代が間近になってきました。
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