最近何かとお騒がせなのは牛丼「すき家」を展開しているゼンショーです。みそ汁の中にネズミ混入したり商品にゴキブリが入るなど考えづらい問題がメディアを騒がせています。他方で今年度には外食産業初の1兆円企業の仲間入りし、海外事業の売上げも大幅に伸びています。
一方牛丼チェーンの先輩にあたる吉野家は今期売上高がやっと2000億円台に達しましたが苦戦は続いています。企業規模からいったら大きな差がつきましたが、1980年吉野家が倒産したとき、ゼンショーの小川賢太郎会長は吉野家の社員だった縁があります。
その2年後には吉野家を辞め、起業してゼンショーを立ち上げました。吉野家の再建を巡り安部修仁元社長と対立した結果と云われます。過っては牛丼界の一強だった吉野家ですが、現場のアルバイト上がりの社長が3代続いた結果、小川会長一人に大負けしていることになります。
この2つの会社、企業文化の違いで話題を集めています。何が違うかと云いますと、ゼンショーは小川天皇とも云われるように会長のワンマン企業です。本人も東大を中退し、ご子息の現社長も東大出身者です。会社の意思決定はほとんどトップダウンで決まると云われます。
吉野家は現在の成瀬社長まで3代続いてアルバイト勤務からスタートして、社長まで上り詰めた人ばかり。当然意思決定は店頭の現場の発想が優先することになります。そのため社員からみると吉野家は仕事がしやすい会社ですし、投資家からみると小川会長の経営手腕でゼンショーが買いです。
この違いの根本には企業文化の違いありそうです。一見、1兆円企業と2000億円の売上ではゼンショーの圧勝のようにもみえます。ただ企業の価値はその会社の持続性にあるとするなら、77歳の会長が全権を振るうゼンショーよりも57歳の成瀬社長と若いスタッフが脇を固める吉野家が有利にも思えます。
大きな会社だから経営が安定してるわけではなく、小さな会社だから倒産しやすいわけでもありません。一見吉野家を大きく引き離しているようにみえるゼンショーですが、海外事業での売上げが大きく寄与しています。国際情勢の変化次第で、この売り上げも大きく変わりますから怖いです。
投資家の人にとっては「黒い猫でも白い猫でもネズミを捕る猫はよい猫」ということです。企業業績を上げてくれる経営者は、ワンマンであっても独裁であっても、株価を上げてくれるのでよい経営者です。業績が悪くなると株を売るとよいのですから。会社の従業員の場合そうはいきません。ギスギスした職場で月金にフルの仕事をするなら、やはり気持ちのよい職場での仕事を希望します。結局、起業文化は大きな意味をもっています。
マーケティング・経営ランキング