日中関係は、高市首相の発言をきっかけにきな臭くなっています。首相にしたなら長年言い続けている自論を話しただけで、中国が拳を上げるのはおかしいと思う節があります。ただ国内向け発言と外交発言とは、大臣や党の要職として発言するのと首相が発言するのとでは、言葉の重みがまるで違います。首相発言は言い訳や取り消しが通用しません。
今から13年前の2012年には、中国が尖閣諸島の所有権を巡って大荒れに荒れました。当時の石原東京都知事が尖閣諸島の土地を東京都が買おうとしたため、民主党政権が慌てて国有化に走って騒ぎはどんどん大きくなりました。中国では反日デモが吹き荒れ、全国的な不買運動も広がってしまいました。日本経済はたいへん大きな影響を受けて苦しみました。
13年後の現在、日中関係は前回とは少し変化が起こっています。当時中国の経済成長率は7.85%なのに対し、日本は1.38%でした。当時の中国は飛ぶ鳥を落とす勢いの時代で、日本はデフレ経済で身動きのできないほど弱っていました。現在、中国は過っての日本と同じでデフレ経済に足を取られ、若者には大量の失業者がでています。中国社会はこれまでになく不安定です。
一方日本はインフレが発生し、30年近く続いてきたデフレからは抜け出しています。そこで日本の飲食店や小売店の中には、中国市場でデフレ対応のビジネス展開をして顧客ニーズを鷲掴みしようと目論んでいた矢先の日中対立です。このまま対立の拡大が続くことになると、中国市場で売上げを伸ばそうと準備をしてきた会社にとって、泣くに泣けない状況が待っています。
企業経営者にとって国と国との政治問題は、路上で大型トラックに当て逃げされるようなものです。こんな騒ぎが起こすのだったら、高市政権よりは石破政権の方が格段に安定していました。初めての女性の首相と云うことで、この国の対外政治に女性のしなやかさを期待したいところですが、実際は外交に無知ということでこんでもない人が首相に着いたことになります。
唯一の救いは中国経済が下降線を辿っていて、対外的にも国内でも中国政府が力任せに日本を追いつめることは難しいこと。日本政府も14億人の国家に対して対応能力を少しは高めることを考えるべきです。中国が本気で食料輸出を停止するようなことがあると、ガザで起きた悲劇は日本でも起こることになります。国の安全は武器ばかりでく、食料やエネルギーが不足しても不安定になります。
以前から右翼にしても左翼にしても、敵対する国家からの脅威を大袈裟に言いふらすことで選挙に勝とうとする風潮があります。最近は在日外国人に対してノンを主張することで選挙に勝とうとする政党もあります。今日本が抱える大問題からすると些末な問題ですが、問題のすり替えにまんまと引っかかる人もいます。日ごろから問題の本質を見る目を鍛えることは、今の日本にとって大事なことです。
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