今回の総選挙の争点の一つに、外国人受け入れを問題視する党が多数ありました。昨年の参議院選挙で外国人の受け入れを争点にした参政党が議席数を大幅に増やしたこともあり、今回もこの問題を持ち出したようです。自民党も「適正な受け入れと共生」とお茶を濁しています。
ただ日本の人口減少と残業規制とは、想像以上にビジネスでの深刻な人手不足を招いています。今は高齢者と主婦の就業者が増えているため、何とかバランスを保っています。技能と体力の必要なドライバーの不足となると本当に深刻な事態が起こっています。
野村総研の調査によりますと、4年後の30年度には流通業界だけで27万人のドライバー不足が起きそうです。今後もし日本経済が好調に推移した場合、物流業界が抱える問題を指摘しています。人口減少と残業規制の二つの難題を抱えるわが国の物流事情はまったく先が見えなくなってしまいます。
特に厄介なのは、国民の消費が上向いているときに肝心の商品が市場にないことです。わが国の産業界には、物流業界に対し一段低い業界とみる傾向があります。小売業者の中には、物流業者を「つかってやっている」意識の人がいて、荷下ろしのあと店内の陳列をさせたり、自社の荷受けを優先させている会社もあります。
将来自動運転車が物流市場にどっと導入されますから、若い人には今の物流で働こうとする人は多くありません。アメリカでは10年程前からドライバーに対する給与を大幅に引き上げ、人手不足を解消しています。日本もなにかしらの手を打たないと、現在のドライバー不足が自然に解消することはありません。
現在、セイノー、佐川急便、センコーなどは外国人ドライバーの採用に向け準備を進めています。一部の国では、日本で外国人を締め出す政策が動き出していると誤解を招く噂も飛び交っているようです。今の時代の変化を誤解していると、今度は外国人労働者が誰も日本に来ない事態も心配されます。
1980年代後半に起きたバブル経済の時から、この国の政権は経済政策はほとんど有効な手を打てずにここまで来ています。今では誰もが日本でバブルが発生したことは知っていますが、当時は多くの人が知りませんでした。デフレ経済は教科書の中での話で実際に起きるなど信じられませんでした。多分、優秀な学者は気付いていたと思いますが、多くの人は後追いで知った知識です。日本人でノーベル経済学賞を受賞した人は誰もいません。そのくらい世界との間には差があります。
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