「蜘蛛の糸の遺伝子から夢の繊維づくり」で大きな期待を集めた企業 スパイダー。来年は創業20年を迎えるのに、会社組織は私的整理と会社清算を選びました。人工タンパク質から、カシミヤに似た手触りの繊維を生産する技術を確立しましたが、ほとんど売れない事態に追い込まれています。
結局スパイバーは孫正義さんのお嬢さんが会社を引き継ぐことになりました。なんでこんなハイテク技術から製品化に成功したのに、夢の技術のはずが危うく日本からノウハウが海外に持っていかれる淵まで追い込まれたのでしょうか。このようなケースは過去に意外と多くあります。
リチウムイオン電池、ドローン技術、高速鉄道、QRコードなどたくさんあります。半導体などは本当にその代表例と云えそうです。日本の場合、市場規模が小さいことがあります。まだビジネスのスピードが遅いことも大きな理由です。そしてスタートアップ企業の場合はほとんど国の支援が期待できません。
トヨタなど大企業に対しては、痒いところに手が届くほどキメの細かな支援が行き届いているのに。これは支援を決める政治家の能力不足が影響しています。これまで製品化することのできなかったゼロの製品を、イチに転換する努力や能力は大変な苦労が必要です。既存の大企業がこのような製品を作ることはムリ。
この無から有を生み出すのがセットアップ企業の役割です。アメリカでは、0から1を生んだ将来大きな資金を稼ぐことの期待できる技術は、発見者から大手企業へと売られるケースがほとんど。まだ市場が作られていなくても10のうち1つが大化けするだけで、大きな利益をもたらすからです。
日本の場合、政治家に世襲議員が多いためゼロをイチにする苦労をほとんど知らずに議員になっています。そのため大変な発見、発明をみすみす製品化することなく、海外の企業に持ち出されることになっています。そのため日本経済は徐々に小さくなってきました。この流れを変えないことには、セットアップ企業を立ち上げる人自体が年々減っています。
世界的石油危機と云われる現在、日本のガソリン価格は世界各国の価格と比べて驚くほど安く売られています。なぜかと云うと、政府は多額の補助金を出して安いガソリン価格を実現しています。政治家が自腹を切って価格を下げているわけではなく、税金を使って価格を下げているにすぎません。ただそのため国の借金は膨らみ続けています。また高いガソリンや石油製品に対する危機感もなくなって、過ってのオイルショックの時のような省エネ製品が次々に生まれる社会のバネも働かなくなっています。
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