現在世界のメディアは、アメリカとイランが再び交渉の席につくのか、それとも武力衝突が再び始まるかその行方に注目が集まっています。ただトランプ大統領の言動ばかりに焦点を当てていると経済の現実を見失うことになります。アメリカから漏れてくるプライベートクレジット問題は日増しに広がっているからです。
アメリカ政府は08年に発生したリーマンショック以降、金融業界に対する締め付けを厳しくしました。サブプライムローンのような所得の低い層に対する貸出しを規制し、新たな金融危機の発生を防止しています。ただ金融業界は規制に対応する新たな貸出先を探すのがビジネスとされています。
そこで広がったのがプライベートクレジット。リーマンショック以後、銀行からの融資が受けづらい信用力の低い中小企業向けに、ファンドなどによる融資が急速に広がりました。米国の保険会社は1980年代から信用力の低い中小企業向けに融資を行っていました。
この融資には機関投資家や富裕層、銀行までもが乗っかって、高いリスクと高い金利にアメリカでは多くの資金が集まりました。ただウクライナやパレスチア、イランまでが戦場となって金融市場の不安も広がっています。2026年に入って世情の不安からプライベートクレジットへ投資した資金の引出し希望が増えます。
現在は投資家の全額返還希望に対して部分的にしか返済は難しいようです。まだ厳しい局面にはなっていませんが、今後のイラン情勢やアメリカ経済の展開次第では投資家の返済要求が爆発的に急増するケースも起きます。火種は依然燃え続けていて、トランプがガソリンを撒くようなことになると世界に危機は波及します。
問題は日本経済です。世界的石油不足でも、日本国内にはほとんど危機感がありません。ただリーマンの時もそうでしたが、ほとんど日本経済とは無関係のはずのアメリカ発の経済危機が、日本に波及してくるとアメリカ以上に大きな影響を及ぼします。この経験は無視することのできない問題です。
50年以上昔から、日本政府は日本国民が豊かになることには頑なに抵抗してきました。日米貿易戦争と云われた時代、アメリカ政府は日本に対し国内での消費拡大策を助言してきましたが、頑なに海外輸出と企業支援ばかりに力を入れてきました。結局国民は住宅ローンで首根っこを掴まれ、ウサギ小屋と云われる狭い家に住み続けています。しかも世界第2の経済大国のはずが、ズルズルと経済は小さくなっています。シャボン玉と同じで、大きくなることなく中途半端でしぼみ始めました。この先もどうなることやら。
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