現代の企業経営者と昔の創業経営者とを比べた時、現代の経営者は知名度の低い点は別にしても大きな違いを感じます。松下幸之助や本田宗一郎などの名前を出すまでもなく、日本社会がまだまだ貧しくその社会を変えようと高い志をもつ経営者が多数いました。また日本全体が欧米を追いかけるために一丸になっていた時代です。
現代は孫正義さんや岡藤正弘さん、三木谷浩史さんにしても、大きな夢や社会との関りを語ることはありません。SNSの時代ですから、下手に夢を語ろうものなら揚げ足を取られたり、ネット上でもみくちゃにされるのがおちのようです。ネットはビジネス情報を早く正確に人に伝えることには慣れていますが悪意のある人もたくさんいます。
ただそれにしても現代は志を考えたり口にすることが憚られる時代です。そんななか先日亡くなったゼンショーの小川賢太郎さんは、「世界から貧困と飢餓をなくす」ことを創業の課題としていました。彼は学生が政治的課題にはっきり主張をしていた全共闘世代の真っただ中に学生生活を送っています。
また若い頃には吉野家で仕事をしていて、元社長の安部修仁さんなどと経営方針を巡り対立した人です。その後ゼンショーを設立して、売上げ日本一の飲食店を作りました。当初、「世界から貧困と飢餓をなくす」発言はなんともピントの外れた言葉に思われました。日本の飲食店が世界を語るなど違和感を覚えたものです。
現在ゼンショーの売上高1兆1千億円のうち、米国で14%、欧州4%、中国4%弱とビジネスは世界を相手にしています。今後ますます世界を相手にしたビジネス展開をまい進しそうな気配です。何より早くから大きな志をもって開業を進めたことが、大きな事業成功のカギとなってます。最近の志のない経営に対し、大きな存在感を感じます。
長年の日米関係を考えると、トランプ大統領が頭に描く志とはどんなものかたいへん興味があります。メディアを通して伝えられる発言を聞く限り、私欲を除くとほとんど志はないのではないかとも思われます。最近世界の各国はアメリカ離れを起こしていて、振り向くと日本とイスラエルとロシアくらいしか味方がいないなんてことも起こりそうです。最近の日本の首相も志の低さでは他人に負けていない人ばかりです。
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