開業を目指す人は往々にして自分のビジネスにばかり関心が向いて、世の中の動きには無関心になりがちです。そのため不況色が濃くなっているときに、場違いな大宣伝をしてお客さんのひんしゅくを買うケース。反対に好景気に向かっているとき、宣伝を惜しむケースなど失敗の種は尽きません。
どんなに忙しくても店舗経営に携わる以上は、世の中の景気に注意を払うことは欠かせません。そこでわが国の景気の現状です。先ごろ財務省は円安が進行して1ドル=160円の大台を突き抜けたため為替介入をして、155円台まで円高に巻き戻しました。現在円安は日本経済の泣きどころです。
また10年物国債の金利も2.5%を超える上昇が続いています。29年ぶりの水準ということで、長いことゼロ金利が続いたためまだ実感として金利の高さに多くの国民が戸惑っています。住宅ローンを抱えている人のなかには、月々の負担増がこれから深刻になり家を手放す人が増えるとも云われます。
株式市場だけは一時日経平均が6万円越えを記録し活況を呈しています。ただ大幅な上げがあったり暴落したり、AI関連だけが一人元気ですが他の業種は厳しい状態が続いています。決して先行指標としての株式市場全体が好調なわけではありません。株式は好調な材料を見つけて大騒ぎするのがビジネスです。
日本経済はというと石油をはじめ物価上昇が止まらず、それを賃金引上げが追いかける構図がこの3年ほど続いています。政府も物価上昇に対しは、補助金を出してエネルギー関連価格の引き上げを食い止めようと必死です。ただ公的資金を使っての補助金と、民間企業の賃上げ期待ではいつまでも終わりは見えてきません。
賃上げは、いつまでも物価上昇には追い付けません。なぜなら財政の大赤字が円安の原因で、今のところ円安を食い止めることはほぼ絶望的なことです。インフレ対策で政策金利を引き上げると景気の悪化と国債の金利負担の増大を招きます。この環境のなかで果たして開業を急ぐことが良いのかどうか、考えましょう。
トランプ大統領は、アメリカ経済の好景気を演出するため金利を引き上げることを極端に嫌っています。日本の首相と財務大臣も金利が上がることを嫌っています。国民に好景気と感じてもらいたいようで、景気のよい印象を植え付けようとしているようです。いつもいつも景気がよいなんてことはありません。賃上げがいつも続くなんてことはないですから、この先どこかで落とし穴が現れるような気がします。
マーケティング・経営ランキング