子育てでは、父親の役割が次第に大きくなっているが、金柿秀幸さんは子育てでの役割を起業へと結びつけてしまった。
学校を卒業して9年間、大手シンクタンクに勤めた金柿さんは、お嬢さんの誕生の日に会社を退職した。それからは、半年に渡って専業主夫も経験している。
彼が退職を考えたのは、やはり多忙を極める仕事の毎日が原因だった。忙しさのあまり、3児の父親でもある金柿さんは、仕事に追われて子どもとのコミュニケーションもほとんど取れない時期があった。
その時期、コミュニケーションの大切な役割を果たしたのが絵本だ。子どもに読み聞かせをしながら、彼自身も絵本の世界にのめりこんでいった。ただ、絵本に関する情報は母親同士の口コミがほとんどで、父親の彼には絵本の評価も選び方もまるで見当がつかない。インターネットでも、絵本の情報はほとんどなかった。
そこで彼が手がけたのは、親同士が絵本情報を自由に交換できるネットでの掲示板サイトの開設。無料の会員制サイトを開き、絵本のキャラクターグッズやDVDの販売などを収入源とした。
現在、会員数2万人の人気サイトになっているが、現在もサイトの広告収入には頼らず、子どもの親に信頼されるサイト作りを第一に、絵本のことなら「
絵本ナビ」と云われるまでに成長している。金柿さん自身も絵本のガイドブックを上梓するまでに成長して、シンクタンクの研究員から絵本の世界の案内人へと変身した。
起業では、退職するまえから計画的に外部要因をテコに起業するケースが一般的だが、必要性を感じて実行する起業には、強い説得力が感じられる。
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