日本人の精神構造の中には、最後の最後には神風が吹いて、日本を救ってくれるという神懸りを信じる心理が現在もあるらしい。
61年前には太平洋戦争における玉砕思想で、最後の最後まで戦って神風の到来を待ったが、結局吹かなかったし、バブル経済の崩壊後も、そのうち好景気が到来して地価も株価も息を吹き返してくれると信じてずるずると10数年を過ごし、結局神風ではなく、構造改革によって好景気が到来した。
起業に際しても、資金が底をつく最後の最後まで事業を展開する、玉砕思想の起業を当然とする風潮は今もなおある。最後の逆転勝利のようなイメージがあるのだろうが、現在の起業はマネジメントの研究が進んでいることもあって、とても科学的である。
最後の最後まで頑張るより、負けが続くときは、体制の組みなおしも大切である。
サッカーW杯で思うのだが、前回ガチガチの組織サッカーで決勝リーグに勝ち進んだトルシエジャパンと、今回選手の自主性を重んじて勝てないジーコジャパンを比較するとき、日本人には今なお、規則で縛り、監督の意思のままに動き、監督の発する言葉の一語一句に褒められることを望む心情が、息づいているのではないだろうか。
日本の優良企業を見ても、偉大な経営者と独特のコミュニケーションの場があって、社員には経営者の顔色を見ながら行動する習慣がついているような気がする。この日本人の習い性は起業にあたっても、利用可能な習慣のようだ。
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