ニッチもニッチ、非常に狭い市場でリサイクルビジネスを展開しているのが、「ビューティーガレージ」である。対象としているのは、理美容店やエステ店が業務用に使う機器・器具のリサイクル事業だ。
本来、この機器・器具はメーカーの力が圧倒的に強く、逆に理美容店やエステ店は弱小企業ばかりなので、中古市場が成り立つ要素はまるでなかった。リサイクル店に機器・器具を横流しした店舗や問屋は、その後メーカーからの仕入が難しく、業界で生きていくことは難しいとされていた。
所が、中央宣興やマッキャンエリクソンで広告業務を経験し、その後自身で広告代理店を経営していた野村秀輝会長は、それまでまったくリサイクル市場のなかったこのニッチ市場の将来性に目をつけた。03年6月には、理美容用品でディーラーをしていた供田修一社長と二人で、「ビューティーガレージ」を立ち上げる。
それまでまったくなかった、理美容業界初のリサイクル店である。美容業界に限って言うと、毎年新規の出店数が約1万店で、廃業店数は8千店にも登る。このデーターが、独立開業の最大の根拠となった。
しかも、インターネットを最大限活用することによって、全国の店舗を顧客にすることができる。ずばり、野村会長の狙いは当たったといえる。設立後たった3年で、売上高は5億8千万円(05年)にも達しているのである。
現在は、全国10カ所にショールームを設け、中古品ばかりではなく新品も入手して、格安価格で販売している。業界に精通している玄人ならば、理美容の機器・器具のリサイクル販売といった発想は生まれないが、知らないことの強みを最大限生かした起業である。
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