旅の口コミサイト 「フォートラベル」を創業した津田全泰社長は、その名を「ぜんたい」と読む。「みなやす」とか、「まつやす」とかは読まない。これだけでも十分常識を破っているのに、その人生となると常識破りの常習犯だ。
彼は98年3月に学校を卒業するはずが、取得単位が不足しているため、卒業が7月までずれ込んでしまった。ただ、他の学生と同じように3月卒業の予定で就職活動をしていた。
ここで彼が心を動かされた会社は、当時、既に数100人規模の会社に成長していたソフトバンクと、社員7人のMDM、現在の楽天である。どちらの会社からも内定をもらったが、彼が選んだのは8人目の社員の座だった。
そこで、楽天市場がインターネットの世界で立ち上がるシーンに立ち会っている。その後、楽天トラベルの立ち上げにもかかわるが、03年10月に起業、04年1月から自前のサイトを立ち上げた。
楽天時代から、副業で航空会社国内線の情報サイトの運営を行っていたが、起業をしてからは、旅行をしたユーザーの旅行記や掲示板による旅行情報サイトを運営、そこに貼り付ける広告を収入源にした。
このサイトは順調にユーザーを増やし、開業2年目で年商3000万円、月間ページビューが2000万件、延べ訪問者数200万人の巨大サイトになった。
起業家としては、いよいよこれから会社を大きくしようと考える3年目を前に、この会社をカカクコムに12億5000万円で売却してしまう。しかも、津田社長以下社員全員がそのままカカクコムに雇われる立場として。
成長直前の会社を売る行為が常識破りなら、その会社に居残る行為も常識破りである。津田社長にとって、人が常識と思えることが、まったく常識とは思えない。この、発想の違いが彼にとって財産だ。
もし、これから起業を目指している人で、他人との発想の違いに悩んでいる人がいるなら、その財産をどう生かすか、自分が自分に賭けるつもりで進むことだ。
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