こだわりの製品つくりをテコに起業を目指す人は、70年代、80年代ほどではないが小売り・サービスが幅を利かせる現在もいる。
03年2月に起業したMさんは、特注品の「犬の浴槽」を売り出して話題になった人である。老衰で体力が落ちたり、障害をもっている犬の入浴のために、飼い主が持ち上げて入れなくても、犬が自力で入ることのできるなかなかのアイデア製品だった。
ただ、技術屋の器用貧乏で、取り扱っている製品が、「ワゴンタイプの工具台」、「水上バイク用スタンド」と、要はお客さんの相談を受けて造った製造品がそのまま製品ラインナップに並ぶ単純な仕組み。
これでは、お客さんと接点を作る舞台ができない。何かしら得意分野や売れ筋商品があって、その上で特注品にも対応できると言うことならお客さんも集めやすいが、特注品だけを前面に出しての起業は難しく、結局廃業に追い込まれてしまった。
現在は、安い汎用品が幅を利かせているが、高齢化が進むにしたがって特注品のニーズは高まる。Mさんも、特注品造りと同時に、お客さんとの接点をどのように作るか、また起業を安定させるための製品造りを考えていたなら、面白い展開の起業になっていたような気がする。
起業を前に行う、シュミレーションが不足していたことは否めない。起業を目指す人にも、環境の変化や見込み違いに直ぐ対応できるシュミレーション作りは、真剣に取り組んでほしい。
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